朝ドラヒロインをこんなところで発見!

空が青空であるために

青春だなぁ、なんか最後の旗を掲げているところなんか「ぼくらの七日間戦争」みたいだな〜なんて思ったり、女の子が凛とした可愛い子だなぁなんて観ていて、最後のアップでようやく「ん?」となる。え、これ、浜辺美波ちゃんか?と。髪型が違うからか、まだあどけなさが残っているからか、最後の最後まで全く気づけなかった。
今、こんなに毎日のように、その笑顔に惚れ惚れしているのに。でも最後に
アップの表情は、まぎれもなく「寿恵子」だった。

「空が青空であるために」MVより

彼女をこの楽曲のMVの主役に抜擢した方は、この楽曲への理解が大変深い方だと思う。おそらく、リリース時に観ていた感情と今の感情はもちろん別物であるが、この楽曲を輝かせる人としては見事なセレクトだと今更ながら唸る。

わかりやすくTERU楽曲。毎回書いていると思うが、TERU楽曲の永遠のテーマは「空」なのだ。そして、その空は物理的なものとしての対象だけではなく、比喩的あるいは感情的なものとしての対象でもある。この楽曲においては、後者の方が当てはまると思う。心の空がいつでも晴れているようにするために、僕らはどうすればよいのだろう?という、一点の曇りもない問いを楽曲を通じて謳っている。そこに、何かを狙うような打算的な考えは一切なく、ひたすらに心の中の状態が晴れやかになることへの思い、気持ちが込められている。そして、その心情を歌い分けることで、楽曲の説得力を高めている。
例えば、2番のAメロが顕著だろう。TERUは力強いファルセットや地声とファルセットの中間の声を出し続けられることが強みだが、あえて優しいファルセットで静かになだめるように歌う。うまくいかないことに対して、思いのまま感情をぶつけるのではなく、一度冷静になって考えてみようという提言のようにも聞こえる。でも、うまくいかないスパイラルにはまってしまったからと言って、全てが終わりなわけではない。まだまだ旅の途中だ。諦めずに手を繋ぎ続けていれば、結果を紡いでくれる何かこに出会えるかもしれない。そこに向かう歌い方は、どんどんと力強くなる。だからこそ、「見上げた空からの日の光がまるで自身を照らす」スポットライトかのようにさえ感じる。

TERU楽曲は、この楽曲の前にリリースされた「HEROES」もそうだが、拍子が変わるところが結構多い。ボーカルならではの歌うときのリズムの感覚が関係しているのだろうか。最初の頃は、他の楽曲と比べても、そのリズムをつかみ切るまでに結構時間がかかった。でも不思議なことに、楽曲が染み込んでくると、もう、拍の取り方に心身ともに慣れてしまい、それがまた心地良いのだ。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?