DNAレベルで身についているスピード一定が前提のタイトルコール

生きてく強さ

「いーきてくつよさ〜!」というタイトルコールは、どんなライブでもほぼ一定のスピードで叫ばれているとのこと。その技は、狙ってできるものかもしれないが、TERUの場合は、もはやそのスピードというか、リズムなのか、それがもう、DNAに刻まれているのだろう。TERUの中のその感覚が、ある意味でのメトロノーム。何度も何度も思いを込めて、魂を込めてファンに向けて届けたからこそ、その感覚が体に刻まれているのだろう。

歌詞に勇気付けられる、立ち上がるための力をくれる。そう、そういう曲だ。でも、聴きどころは歌詞だけではない。もちろん、ライブでの「いーきてくつよさ〜!」もそうだし、TERUの歌い方もそう。メロディラインが、2番Aメロではちょっと変化を持たせたりする。そして、各地に行ったら、その街の名を高らかに叫んで、応援をする。そこはもちろん、聴き逃し厳禁!
でも、もっともっと聴き込むと味わいは一層深くなる。

まずは、ベース。1番から2番に入り込んでいく時に、「カモン、JIRO!」とというTERUの呼びかけに、全員の視線がJIROに集まる瞬間がある。たった数音ではあるが、この楽曲の2番以降の出来を占う(?)大事なポイント。でも、ベースの注目すべき点はそこだけに留まらず。TERUの声に耳を傾けてしまうのは致し方ないが、その裏で、走ってしまいがちのリズムを取りながら楽曲全体を支えている。その上で、ギター2本が、それぞれの役割を果たすように、付かず離れずのフレーズを弾いていく。AメロからBメロに向かい、そしてギターや鍵盤が音階を駆け上がるとサビの盛り上がりが待っている。跳ねるようなギターだと、その音階の効果をより実感できる。ギターのユニゾンっぽい(いや、ハモリか?)ところが素敵。
ギターそれぞれが、自分が目立とうと思うのではなく、もう一人をリスペクトしながら、自身の役割に徹するからこそ、無敵のアンサンブルとなる。

楽曲がもつパワーを発揮すべき場所はどこか、それはもはやバンド内にあるのではなく、リスナーの元にある。テレビだから、ラジオだから、ネットだから〜という功績に縛られず、ファンの気持ちに寄り添って来年30周年を迎えると言っている。

今日もTERUの「いーきてーくつよさ〜」と言ったら、その楽曲の心地よさの中で溺れたい。


この映像からGLAYの関係性について、非常に良好であることがわかる。

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