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パワーパック ハイパーDXを調べよう

 KATOから発売されている「ハイパーDX」はどうも凄いらしいので買ってみました。KC-1が使えないコアレスモーター車も増えましたし。前回,前々回とPWM制御について考えてみましたが,今回はハイパーDXについて調べてみます。

 では早速KATOの225系100番台の起動を見てみましょう。フライホイール搭載の新動力ユニットです。

 前回マイコン制御の実験とは全く挙動が違いますね。凄く滑らかに走り出していますし,励磁音もとても静かです。よく聞くと空回りしている様な音は聞こえます。


ハイパーDXもPWM制御

高出力(2A)のPWM制御式パワーパックです。室内灯付きフル編成や多重連、HOゲージの運転にも余裕をもって使用でき、起動電圧調整ボリュームや2ディレクション装備により、多様かつきめ細かな操作が可能。黒色仕上げの外観は、サウンドボックスとの相性も抜群です。ヨーロッパ形やコンデンサ搭載車両など運転ができなかった一部の車両にも運転することが出来ます。

 どうしてコンデンサー搭載車両などが運転できるようになったのでしょうか。波形を調べてみました。

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 この波形は目盛り6の位置で225系100番台を走行させて測定したものです。PWM周波数は約20kHzでした。前回マイコンで作った周波数と同じですね。立上りは安定していますが立下り,つまりパルス幅がばらついています。これは不要電磁放射 (EMI) を防ぐスペクトラム拡散クロック発振器 (SSCG) の様な物でしょうか。


パルス幅が一定ではない

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 波形を重ねてみました。赤色に近づくほど波形の重なりが多く,水色は重なりが少ない事を示しています。だいたい4.5μs(マイクロ秒)の幅を持っています。

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 これは目盛り1の位置での波形です。パルス幅を狭めている個所は立ち上がり切らずに電圧が低かったり波形が出なかったりしています。これで,どれぐらいの周期でパルス幅を変えているかがわかりますね。だいたい7.6ms(ミリ秒)でした。

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 これは目盛り8の位置での波形です。目盛り7を超えたあたりからはパルス幅が一定になりました。

KC-1のパルス幅は一定か?

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 同じPWM制御のKC-1も,実はパルス幅は安定していなかったんですね。この波形は目盛り1の時のものです。PWM周期は約20kHz,パルス幅の振れ幅は7.8μsでした。少し値が違いますし,波形を動きで見ると振れ方も違いますね。この違いが影響しているのでしょうね。KC-1ではGREENMAXのコアレスモーター車はまともに運転できないし,GREENMAXの説明書にも使うなと書かれています。それがハイパーDXではちゃんと運転できるのです。不思議ですね。まぁKC-1はマイコンではなくディスクリート部品で三角波からPWM波形を作っているようなので,ばらつきなのかもしれませんが。

逆起電力の検出

 ハイパーDXはサウンドボックスとの相性も良いと記載がありますね。どいう事でしょうか。

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 実はこの様に一定周期で空白ができています。その周期は約15msです。

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 そして空白の時間は約330μsでした。この間に逆起電力 (Back Electro-Motive Force; BEMF) により発生する電圧を測定して車両の走行速度を算出の上,サウンドボックスの同期を取ったりしているのでしょうね。これは225系100番台を目盛り6で走行中の時ですが,この波形からも電圧が約3Vと少し浮いている事がわかります。詳しくは下記リンク先等を参照して下さいね。

パクろう!

 波形だけでは詳しい仕組みまではわからず推測にしかなりませんが,ハイパーDXはとてもよくできたパワーパックである事は間違いないので,この波形を参考にPWM制御プログラムを作ってみようと思います。

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