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予想を面白半分で聞くのが好きだった

地下鉄丸ノ内線で通勤していたころ、後楽園で途中下車し競輪をしていた。競輪はあまり詳しくなかったが、予想屋の話を面白半分で聞くのが好きだった。大道芸人の口上に似ている。

いつもは2~3レースで切り上げるが、公休日には第1レースから勝負することも。負けてばかりなので、最終レースはお金を出し予想屋のいうとおりに買う。だが、かすりもしなかった。

予想屋の予想にサイコロがあった。「3と5が出るよ」と言いながらサイコロを振ると、その通りに出た。「次は1と1かな」も大当たり。仕掛けがあるのだろうが、予想を買って見たくなる。

ある日、予想屋が「お兄ちゃん、たばこ持っている? まだ5本残っているよ」。私のたばこの中を調べると5本だった。これは偶然だったのか。不思議なことがあるものだと思った。

会社に行き友人に話したら笑われた。「たばこはよく分からない。でも予想屋の予想が当たるなら、人には教えないだろう。自分で買った方が儲かるんだぞ。そうだろう」は言い得て妙だ。

今年の日本シリーズ。野球評論家の多くはオリックス優勝(4勝3敗)と見ていた。ヤクルトが王手をかけている。今度どうなるか。予想が当たっても外れても関係ない。気楽な稼業(失礼)だね。

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