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マナーの心得なかったばかりに恥掻く

あれは昭和41年8月だった。お盆をすぎてすぐ、同僚の家(埼玉・飯能)に行った。玄関に入ると40代後半のお母さんが、10代の私に丁寧におじぎをしてくれた。これにはびっくりした。

応接間に通され2人きりになると、同僚は「お袋が正坐をしおじぎしているのにさ、お前は立ったままぼそぼそ。失礼な奴だな」と苦笑い。マナーの心得がなかったばかりに恥を掻いた。

マナー違反はまだある。結婚前の昭和47年12月、初めて彼女(妻)の家に行き、防寒具のままストーブにあたる。帰るとき、お母さんに「また遊びに来てくださいね」と言われ恐縮した。

後日、彼女に防寒具を脱がなかったことを注意された。初対面での失態。それでもお母さんは私たちの結婚にOK。社員研修で「尊敬する人は? と問われ、義母です」と即答している。

『森荷葉の「魅せる」マナー上手』(主婦と生活社)で、知っておきたいおじぎの使い分けを読む。立礼と坐礼を紹介。飯能のお母さんのおじぎは、坐礼のうちの「真礼」と分かった。

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