妊娠中の太りすぎに注意
妊娠中は赤ちゃんのために栄養をたっぷりとるのが理想。
けれど過剰に食べ過ぎてしまうと肥満になり、
次のようなリスクが高まります。
赤ちゃんの成長阻害:
心肺機能、循環機能が低下し、赤ちゃんへの血液供給量がダウン。妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症):
胎盤機能が低下し、赤ちゃんにも母体にも悪影響が。妊娠糖尿病:
ホルモン異常がおこり、血糖値コントロールが不可に。
赤ちゃんの命にかかわる場合あり。難産:循環器系の機能低下や産道に脂肪がついて!お産が大変に。
太りすぎ防止のポイント
その1 20週以降は積極的に運動しましょう!
※ 妊娠中の運動については、下記(次の見出し)を参考にしてください
その2 理想の体重を目指すにはどれくらい食べればよいか!
どれくらい食べればいいのかは、活動量、また妊娠何週目にいるのかで異なります。
活動量が多い人、また、妊娠周期が進むにしたがい、推奨摂取カロリー量は上がります。
具体的に、ケースごとに見ていきましょう。それぞれの活動量の目安は次の通りです。
• 活動量が少ない人:デスクワークの人、子どもがいない主婦
• 活動量が普通の人:立ち仕事や接客業の人、子どもがいる主婦
• 活動量が多い人:農業やガテン系の仕事、毎日意識的に運動している人
妊娠初期(16週未満)は一般の人より+50kcal
妊娠初期のうちは、一般の人とほとんど変わらないか、気持ち多めに食べるくらいで十分です。つわりがひどい人はあまりこだわらず、「食べたいものを食べたいときに食べる」スタンスでいきましょう。
※つわり対策は ページを参照してください。
• 活動量が少ない人:1,700kcal
• 活動量が普通の人:2,000kcal
• 活動量が多い人:2,250kcal
妊娠中期(16~28週未満)は+250kcal
つわりが落ち着き、食欲がわいてくる時期です。
※反動でいっきに食べ過ぎると肥満にになる可能性があります。食事は、妊娠前から比べて主菜や副菜、果物などを1品追加する程度。週に0.5kg以下の体重増加を目安にしてください。
• 活動量が少ない人:1,900kcal
• 活動量が普通の人:2,200kcal
• 活動量が多い人:2,450kcal
妊娠後期(28週以降)は+450kcal
妊娠後期の推奨食事量はぐっと増えます。
主食、主菜、副菜、果物、乳製品などから栄養バランスを考えて数品追加しましょう。
• 活動量が少ない人:2,100kcal
• 活動量が普通の人:2,400kcal
• 活動量が多い人:2,650kcal
最終的な体重の増加量はBMIを目安に
最終的にどれだけ体重が増えていいかは、
妊娠前のBMI値を目安に考えましょう。
BMI値は次のように計算します。
【BMIの算出方法】
BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
例)身長160cm、体重(妊娠前)50kgの人の
BMI=50÷1.60÷1.60≒19.53
【BMIと体重増加量の目安】
• BMIが18.5未満(痩せ気味)の人:9~12kgくらい
• BMIが18.5~25未満(標準体型)の人:7~12kgくらい
• BMIが25以上(肥満傾向)の人:5~7kgくらい(医師に要確認)
妊娠中の運動
妊娠中の妊婦さんにとって、体重や健康を維持することは大切な仕事のひとつです。
妊娠中の妊婦こそ、運動をおすすめしたいのには理由があります。
それは、運動によりさまざまなメリットが生じるからです。
妊娠中の運動のメリット
妊娠初期からでもはじめられる軽い運動から初めていましょう!
特に車の移動の多い人
活動量が少ない人:デスクワークの人、子どもがいない主婦
に当てはまる方は、特に意識して運動をとりいれてください。
20週の妊婦検診の頸管長チェックで医師の許可が得られた方は、当院の主催する各種体操教室にもご参加いただけます。
妊娠初期からできる体操
基本的に、軽いウォーキングや紹介している動画の運動であれば何の問題もありません。体調にもよりますが、10分~30分ほどウォーキングできれば運動としては充分です。