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e-sports選手の暴言・失言・差別的発言の防止・予防対策について

今年に入りe-sports選手の暴言・失言・差別的発言が、問題視されることをよく見るようになりました。なぜそんな発言をしてしまうのでしょうか?
今回は日本のネット環境を中心に考察し対策方法を記載します。
これはひとつの方法論として御覧ください。

「大人になれば理解できる」は間違い

「大人になれば理解できる」と思っている大人の方も居るでしょうが、それは間違いです。大人(30代以上)の配信者を御覧ください。オブラートに包んだ言い方をしたりしてますが、差別的言動と思われる配信を未だに自然としています。それを自然と子供たちは見ています。
子供たちはオブラートの包みの意味を自分なりに解釈し笑っています。それを「カッコイイ」「強い」などと変換して、言葉を使用しています。
また、オブラートに包まず暴言を吐いている大人の配信者も確実に居ます。
常識ある大人の方からすると「下品」「ダサい」「最低」と敬遠するでしょうが、それこそが子供たちから見ると「差別している」ように見えています。

<暴言失言差別発言の原因>

しっかりとした教育がされていないのは、チームや企業の大問題であることは間違いありません。発言者を辞めさせるだけで済む問題ではありません。危機管理に関しては、以前まとめた記事を御覧ください。

親の育て方を責めることも間違いです。そんな過去のことを責めても無駄です。暴言を吐く子供の生活環境を想像すれば、改善方法はそこでは無いと気がつくはずです。

・原因①「現在の環境」

現状は、上記で記載した「大人の配信者を見ている環境」や、「学校の延長と思っているチーム環境」「表舞台で活動することの自覚の無い環境」など、ネット中心の「職業病」とも言える環境にあります。

・原因②「経験不足」

障害者やハンディキャップのある人への理解が、少しずつ進んでいるように思いますが、講座などで、自分の経験したことが無い「日常の不便さ」の話をたくさん聞いたところで、健常者の子供たちは想像もできません。

しかし、大人になれば、その話の理解度が格段に上がってきます。また、一部の子供たちも理解できています。
それは身近な人で介助したことがある人です。
もしくは、自分に障害があったりハンディキャップがある人です。

経験が無ければ大人でも「善悪」の区別がつかないこともあります。

<障害者差別発言は減らす事ができる>

上記内容を読んでいただければ、改善方法は簡単に見つかるでしょう。それを実行する事が難しいと思いますが、一例をご紹介します。

・障害と戦っている人を知る

全国各地に「障害者リハビリセンター」や「重度障害者センター」などがあります。生まれた時から障害を持っている方、事故などで障害を持った方などが、普通の生活能力を身につけるためのリハビリや生活の工夫方法を学習しています。
健常者にとっては当たり前の日常生活、例えばシャワーを浴びる行為だけでも困難な人も居ます。ベッドから起き上がるのに数分かかる人も居ます。
健常者が1秒もかからない動作に、数十秒・数分かかる生活をしなければならない人が居ます。

・「介助しましょうか?」は時として人権侵害

自立を目指す為・人に頼らずに生きる為に訓練をしている人の目は輝きを失っていません。特に事故で障害を負ってしまいリハビリ中の方は「他人に迷惑をかけてしまった」と思いこみ「これ以上迷惑をかけたくない」という意識が強い傾向にあります。
そんな人に「介助」のフレーズは自分の存在価値を否定されたも同然です。

・障害者は逃げ道がない

目が見えない障害・耳が聞こえない障害・体の一部を失くした障害など、目に見える見えない障害(ハンディキャップ)は人工的な器具の補助によって生活できますが、障害は無くなりません。もし火災など災害に遭遇した時は、健常者より行動が遅れてしまいます。
365日、常にハンデを背負って生きています。そのハンデに対しての覚悟を持って生活しています。

<暴言失言を減らす>

普段から暴言・失言が多い人(年齢関係なく)は、「目立ちたい」「人気を獲得したい」など、無意識で「欲」が先行しています。若いうちは金銭感覚や生活水準がそれに比例していきます。
大人でも余裕のある生活でマウントを取る人がSNSに多く居ると思います。
まさに「欲」です。それを子供たちは見ています。

・欲を詳細に設定する

チーム内で目標を設定していると思いますが、それを個人単位で「目標」ではなく「欲」として箇条書きで何個でも書き出します。
「モテたい」「1位になりたい」「○○よりうまくなりたい」何でも良いです。
それに対して「対策」を大人と一緒に考えます。子供同士だけでは絶対にダメです。その問題に対し、回答となる経験をしていない大人がチームに居ない場合は、外部から助言を直接受ける環境を整えてください。あやふやな回答は絶対にNGです。
競技の助言だけがチームではありません。むしろ人格形成・人格概念・人間関係の助言がメインです。

・自分を解析するチカラ

目に見えないストレス。ストレスに敏感だからこそ暴言失言が出てきます。それは自分が弱いという表れです。どんな競技でもトップアスリートはストレスとうまく付き合い、向かい合っています。

私がスゴイと思う若いプロ選手は「将棋の藤井聡太さん」「フィギュアスケートの羽生結弦さん」このお二人は、動と静それぞれの競技ですが、プレッシャーという競技に対して邪魔なものをプラスに変換し、観客を魅了するチカラを表現できるアスリートだと思います。この二人の暴言や失言をメディアで見たことがありませんし、聞いたこともありません。なぜでしょうか?

暴言や失言をする自分はダサい
暴言や失言は相手に失礼(リスペクトがない)

それ以上に、自分の努力を責め分析を口にすることばかりです。

相手を気にしてしまうからストレスになります。
失敗事案や努力事案に対して「何が正解だったのか?」「何が足りなかったのか?」すぐに自己分析することを習慣づけ、自分を客観的に何度も見返します。

自分のことがわかっていないのに相手のことなどわかるわけないです。
ここでネガティブな自分と初めて対面し改善するきっかけとなります。

・相手を見るよりチーム内を見る

どの競技でも自分たちがどのように成長しているかを正確に知ることが大切です。相手チームを分析することは、自分たちの成長ではありません。

まずは個人が成長するのが重要です。競技性の向上は、手応えがいつかあるものですが、人間性の成長は自己評価はできません。常にチーム内で人間性の成長を確認し合うことが必要となります。それは仲間を褒める行為でもあります。仲間に感謝する行為でもあります。

「あの時○○してくれたの助かった!ありがとう」など言葉にして伝えることが重要です。
逆に「あの時○○してほしかった」も言うことがあると思います。それは自分の相談ミス報告ミスなので、「あの時○○してほしいのを言わなかった、ごめん」となります。

自分たちの決断の失敗に対して文句が出る時があると思います。それは相手がある競技であれば当然です。相手は自分たち以上に努力しています。自分たちの決断は、相手からすれば当然の結果です。逆の立場の状況を経験したこともあるでしょう。失敗の回数を減らすためには、チーム状況を客観的に見ることが戦術的にも人間性的にも必要です。

<自分を演じて良い>

「良い人」を演じて構いません。むしろ演じてください。
「欲」に向かって「良い人」を演じるのは悪いことではありません。そこにはストレスがたくさんありますが、「良い人」という評価がストレスを超えてきます。
「カッコイイ!」「カワイイ!」と言われる素敵な人になってください。
それが本当の自分じゃないと思っていても演じ続けて「モテて」ください。

「カッコイイ人・カワイイ人」が人の悪口を言ってたりすると「ダサい」です。

いつしか演じていた良い人が、自然と自分の仕草になっていきます。

<チーム組織について>

若い子たちの失言は組織の責任です。しっかりと対応してください。上記のように障害者の実情を経験させ、高齢者施設で不自由の実情を経験させることも学習のひとつです。車いすの押し方も知らない子供たちが大勢居ます。

大会での結果だけが組織の評価ではありません。

今の高齢者や障害者はテレビゲームには何の抵抗もなく遊んでいます。ベッドの上でもコントローラーを持って楽しんでいる人が多く居ます。一般の健常者より長時間ゲームをして生活している人も居ます。

ゲームの楽しさを知る組織が、デジタル(ネット)社会の弱者に貢献できる社会貢献チャンスと思いませんか?

そんなことすでにやってるよ!という組織もあるでしょう。それを定期的にしている組織はどのくらいあるでしょうか?
それを経験した人から暴言失言をした人は出たでしょうか?ぜひコメントで教えてください。

「今週は○○センターのおじいちゃんとゲームしないといけないから、イベント参加できません」 こんな素敵な社会貢献があるでしょうか?

コロナ禍で人とのコミュニケーション不足を皆さん感じていると思います。飲みニケーションが良いと思っていた時代も過去となりました。

障害者や高齢者など生活弱者は、健常者以上にコミュニケーション不足が深刻です。

問題が起こる前に行動することが大切です。暴言を吐く前に選手自信が立場を考え、模範(理想)的人物に成長してもらうことが、企業の広告塔としての義務と思います。


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