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地図がない虚しさ

創作をやめてしまってから不意に虚しさに襲われることがある。
簿記の勉強をしている今だってそうだ。必死に問題を解きながら頭の中では「合格したところで何になるの?」と声がする。

簿記の資格をとりたいと思ったのは、少しでも「普通」の大人に近づきたかったからだ。そこには「普通にならなければならない」という強迫観念が含まれている。
つまり社会に迎合するための受験であり、本当に自分がそうしたいから受験するというわけではない。

私は今でも創作がしたいのだと思う。けれど適正がないことに気づいてしまっている。
私の頭の中の世界は貧弱だ。ロウソクの火のように、少し風に吹かれただけで消えてしまう。

物語を読み解く力もなければ言葉をうまく操ることもできない。
物語を完結できたこともない。私は何も生み出せない。

無力感が頭をもたげる。それなら私は何を目指して生きていくのだろう。
したいことではなく、しなければいけないことばかりに囲まれて生涯を終えるのだろうか。

そんな人生は苦痛しかない。嫌だ。
だけど他にやりたいことなんてない。

ただひたすらに茫洋と生きている。

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