空想癖の喜び苦しみ
小さいころから空想癖がある。
人づきあいが苦手な原因はこれもあると思う。
空想の世界のほうが断然おもしろいのだ。
現実を生きる私は無能で、なにをやっても失敗する。
だがもうひとつの世界では全てが私の思うままだ。
そしてこれが一番たいせつなのだが、主人公は私じゃない。空想の世界に私の意思は介入するが、私自身はそこにいない。
なんて素晴らしいのだろう。私が存在しないなら評価されることもない。後悔することもなければ、悪意をぶつけられることもない。
空想にのめりこんでいるときに話しかけられると、とてもわずらわしい。
集中しなくてはいけないのに空想してしまって、ミスをして落ち込む。
それでますます空想したくなる。現実から切り離される。
あまりよくないことなのだと思う。
最近は空想で興奮しすぎることが怖くて、抗不安薬を飲む場合もある。
精神科医に話した方がいいのだろうか?
だが話したところで何になる?
仮に薬を処方されて、もうひとつの世界に行くことができなくなったら、私は耐えられるだろうか?
耐えられるわけがない。本当の孤独になってしまう。
そうやって私はどこまでも、どこまでも逃げつづけてしまう。
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