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不確かな前進

 来月からA型作業所で働くことが決まった。
 A型作業所では一般就労が難しい障害者が雇用される。障害者は配慮や支援を受けつつ働くことができる。

 今年1月ごろ、自分に合う就労移行支援の事業所を見つけられなかった私に、医師がA型作業所はどうかと提案してくれた。
 実際その方がいいのかもしれないと思った。

 貯金をすり減らしながら就労移行支援に通うよりも、雀の涙ほどでもお金を稼いで、合間に資格勉強する方が精神衛生的にはマシだからだ。
 それに就労移行の体験に行って気づいたのだが、様子をみられながら勉強することは少し居心地が悪かった。
 
 もちろん就労移行支援の事業所に問題があるわけではない。
 単に私には合わなかっただけだ。

 私は医師の助言に従うことにした。
 A型作業所の面接を受け、採用された。

 私は長らく社会から離れていた。だから当面は慣れることを目標に通うつもりだ。もれなく体力がついてくれると上々だ。
 私はいま体重が39キロしかないので、少しでも筋力をつけたい。

 もちろん不安もある。人づきあいは苦手な上に腹痛の心配が常に付きまとうからだ。うまくいく予感はあまりない。今までのように思い出したくない記憶が増えるだけかもしれない。
 それでも改善を目指すべきなのだ。普通にならなければ、誰かを好きになことなど不可能なのだから。


 
 


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