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ショートショート Vol.1

その家の中から覗く地球は、別世界のようだった。

二部屋連続する居間の向こうの縁側に構える巨大な横長のスクリーンに目をやると、端から端まで埋め尽くしている緑にはじまるさまざまな有機色は、この世のあらゆる色を集めた景色のように思わされたものだった。しかし、もちろんそうではないのだろう。それでも、わたしにはこの景色が、「この世の全て」のように感じられたのだった。

家にはさまざまな場所から人が集まり、当時誰一人として同じ場所から来た者はいなかった。だから「家族」という言葉に想起するものが各々の間で100度から200度ほど異なっていた。年齢やセクシュアリティもバラバラだった。

しかし、ただ一つ、彼らに共通していたものがあった。それは、自然をこよなく愛していたことだ。それも、人間の世界への絶望の反動として、より激しいエネルギーによって、自然を愛していた。そして、そんな彼らの自然に対峙する姿勢を通して知る彼らという人間が、わたしはたまらなく愛おしいと思った。

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