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本屋が気になる「今日の新刊」 — 2022/1/6

本屋「バリューブックス」で編集者として働く飯田の、今日の気になる新刊です。


好奇心いっぱいの著者が春夏秋冬、東西南北 弘前のまちを駆け回る! タウン誌「月刊弘前」に2011年から連載のエッセイが待望の単行本化。 少しずつ変わるまちの風景と揺るぎなき弘前への愛を綴った120編。 各回 当時をふりかえっての一言コメントつき。


「ジャンプして成層圏にたどり着くには?」「鍵盤がいくつあれば、ピアノで超音波を出せる?」「雪がまったくないところでスキーをするには?」どこをどう考えても無茶なことでも、NASA出身のコミック作家の知識とユーモアがあればできるかも。日々の身近な出来事を題材に科学に基づいた空想を膨らませていけば、その先には爆笑必至の結末が待っている!世界が笑ったベストセラー『ホワット・イフ?』著者の真骨頂。


「大好きな本を10億年くらい保存するには?」「月まで届くクリスマスツリーを(本物の木で)作れる?」「お金も時間も使わず選挙に勝つには?」そんなのやっぱり無理?いいえ、マンローの手にかかれば、そんなことはありません。楽しく読めて、科学的な考え方もしっかりと身につく、ベストセラー作家による役に立たない暮らしのハウツーが続々。後半では、世界的テニス選手セリーナ・ウィリアムズがドローンを撃墜します。


第二次大戦中のドイツで携帯電話とインターネットが発展し、高度な監視システムが構築されたら?20世紀初頭にほぼ現代同様のコンピュータが開発されたこの改変歴史世界のドイツで、国家保安局NSAはすべてのデータを監視し、保存していた。この日は視察に訪れた親衛隊の高官のため、アナリストのレトケとプログラム作成係のヘレーネはNSAの有用性を示すデモを行うのだがークルト・ラスヴィッツ賞受賞の大作SF!


NSAで監視プログラムを作成するヘレーネは、脱走兵の恋人をこっそりかくまっていた。彼が当局に見つからないようNSAのデータに手を加えていくことに。一方アナリストのレトケは、少年時代に受けた屈辱を今も恨みに思い、NSAのデータを利用して女性たちに仕返しをしていく。戦争がつづく中で、二人の行為が明るみに出てー全体主義社会に現代の監視技術を巧妙に外挿した、恐るべき歴史改変SF。


大国・中国を世界はどのように見ているのか。対立下にあるアメリカ、海峡を挟んで緊張が続く台湾、自由を奪われつつある香港、領土問題で対立するフィリピン、そして対中依存度を増す日本は、中国をどのように認識しているのか。最新の分析結果から明らかにする。


制作活動で何が学ばれるのか、アートの学びとは何か。理解、人間形成という理念的で価値的なプロセスが、実はいつも前提にしてい る「外部」――具体的なモノの経験。その核に何があるかを、美術教育や、算数の課題等を例に、内外の教育思想家、美術教育関係者 、アーティストが論じ、実践・表現する刺激的な論集。


多様性が語られつつ、学校では規律・訓練が止まらず、働ける高齢者が「サクセスフル」だとされる。公平が叫ばれながら、格差を被る主体たちは競争に駆り立てられる。著者の「違和感」は、産業社会の価値である発達概念の省察へと向かう。その再検討で浮かび上がる、別の〈わたし〉とその繋がりの予兆とは。

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