鬼滅の作画に惚れた人は必見!ufotableが見せつける美麗なFateの世界
昨年、『鬼滅の刃(以降鬼滅)』の映画が公開され日本映画の歴史が大きく塗り替えられたのは記憶に新しい。この作品が社会現象となった要因を決めるのは難しいが、原作のダークな世界観と浮世絵のような呼吸の表現をアニメーションで最大限に引き出したことがライトアニメ層から普段アニメを見ない人たちへ伝わっていったのだろう。
アニメーションを作ったのはufotable(ユーフォーテーブル)という制作会社であり、日本のアニメファンの中で最も知名度があるスタジオの一つである。アニメスタジオを知らない人でもufotableの名前を知っている人は多い。この会社がどこでアニメファンの知名度を上げたか、それはufotableが手掛けたFateシリーズ最初のTVアニメであるFate/Zeroだ。
Fate/Zero(以降Zero)はFate/stay night(以降本編)のスピンオフ小説であり、本編の主人公の育ての親である衛宮切嗣の姿が描かれる。この物語は、聖杯と呼ばれる一人の願いを叶える願望機をめぐって7人の魔術師(マスター)と7体のサーヴァント(英霊)が最後の一人になるまで殺し合いを行う儀式(聖杯戦争)に参加した者たちの話である。アニメは2011-12年の分割2クール全25話である。
Zeroはufotableの制作が同じなだけでなく、音楽は梶浦由記が担当し1クール目のOPはLisaが歌っている。また、鬼滅では猗窩座役の石田彰や煉獄の父親役の小山力也、不死川実弥役の関智一などがZeroで声を充てている。
約10年前、リアルタイムでアニメを見ていた視聴者たちは、劇場アニメで表現されるようなリアルな武器、街、建物や自然それに溶け込むキャラクターたちとアトラクションのような戦闘をTVアニメで表現できることに驚きつつ、その映像に引き込まれた。
鬼滅を見た人は、第1話で雪山の臨場感、リアルさに驚いた人たちも多いだろう。実はZeroも雪の表現から始まる。そのシーンではキャラクターが城内で会話し、その後雪が降り色づいた森と城が現れ、物語が始まる。そこでは、大きな物語が始まる迫力が感じられる。景色の描写もすごいが、戦闘描写はアクション映画のようにキャラを動かす。
例えば炭次郎が初めて流流舞いを使うシーンがあるが、おそらく一度では何が起きているかわからないだろう。これはZeroでも同様で、縦横無尽な動きは視聴者を置いていくほどの激しい動きがみられる。
勿論戦闘以外も面白い。『鬼滅』の柱合会議やパワハラ会議はキャラが特に動くことはないが見ていて飽きない部分だ。Zeroでは11話でそれに似た会話のシーンがある。それは、3人の英霊たちが王の在り方について議論する回である。一見話しているだけではあるが演技や表情は目の前で話しているような立体感を作り出し、一人の英霊に視聴者は魅せられた。この11話はZeroをすべて見た後に再度視聴すると別の感想を抱くと思うので是非見直してほしい、『遊郭編』以降の『鬼滅』でも無惨が招集する緊迫した会議が期待できる。その予習として是非見て振り返ってほしい。
Zeroを見た後は本編の『Fate/stay night: Unlimited Blade Works』や『Fate/stay night: Heaven's Feel』を見ると良い。Heaven’s Feelでは『無限列車編』に勝るとも劣らない聖杯戦争の通り英霊同士の戦争が見られる。
ここまで文字で良さを伝えてきたが、やはり作画に関してはみてもらうことが一番である。そのため、一度リンク先にある公式サイトの『Fate/Zero 2ndシーズントレーラ』を見てほしい2クール目のPVではあるが、1クール目のダイジェスト映像であり見どころを抑えてある。それに惹かれたら是非最初から視聴しFateの物語を好きになってほしい。
公式サイト2ndムービー
https://www.fate-zero.jp/movies/pv03.html
昨日の記事の赤入れを現役ライターの石島英和さんにいただき、修正を加えたものです。読みやすくなり興味を持って頂ければ幸いです。
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