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梨泰院クラスは、半沢直樹っぽいと言われるけれど。

みなさま、こんにちは。日本ときめき研究所のKEIKOです。ひさしぶりの投稿になりました。えっ、前回の投稿から2か月も空いてる...!時の流れの早さに驚くばかりですが、あいかわらずときめき研究に勤しむ私です。どうぞよろしくお願いいたします。

さて、本日は前回に引き続きNetflixから、大人気の「梨泰院クラス」についてのときめき研究です。

みなさん、観られました?私の周りの男性陣は、不時着ではなくて梨泰院入りで「韓国ドラマやるやん!」って人がなぜか多くて、梨泰院視聴率の方が高いのです。
それはなぜか。
恐らくその要因のひとつは、1話1時間だから日本のドラマっぽく見れるということ。そしてもうひとつは、よくこのドラマを人におすすめするときに使われる「一言で言うと、半沢直樹みたいな作品だよ」という、この文句がわかりやすく面白そうということ。
おすすめサイトでも、「壮大な復讐劇!」なんて書かれてたりしますし、確かに「原作:池井戸潤」ってなっててもなんかしっくりくる気がする(予告はなんだか池袋ウエストゲートパークを彷彿とさせる青春群像劇っぽい仕立てなのですが)。

しかしながら、日本ときめき研究所としてはやはり、ときめき軸でこの作品を推したい。はい。それでは、いつものようにときめきという観点で、恐らく世界で一番軽いタッチのレビューになりますが、見どころを書き綴ってみようと思います。というか、書かずにはいられなかった。この作品のおかげで、いまやヒョンビン氏と同じくらい深い、底の見えない恐ろしい、パク・ソジュン沼にまんまとハマってしまったから...。

シンプルに、パク・セロイを応援したい

もうこれに尽きる。そう、私たちがこの作品で半生を見守ることになるのが、主人公パク・セロイ。

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名前も聞き慣れない感じがするけど、髪型も見慣れない。作品の中でも「いがぐり頭」と呼ばれてるってことは、韓国でもやっぱり特殊な髪型認定ってことでいんですよね?笑 とにかく初見は気持ちが落ちつなかいけど1話終わりでは見慣れてくるからあら不思議。
なぜなら、この髪型がなんとも思わなくなるくらいには、セロイ演じるパク・ソジュンの演技から目が離せなくなるからです。

ここからネタバレありまくりのあらすじ。

国内最大外食企業・長家(チャンガ)グループに勤務する父親の転勤で、とある田舎に引っ越してきた高校3年生のパク・セロイは、転校先の学校で長家グループの御曹司チャン・グンウォンに出会う。 正義感の強いセロイはグンウォンの傍若無人な言動に我慢できず、一発殴ってしまい退学処分。父親は20年間勤めていた会社を辞める羽目になってしまう。
さらにグンウォンが起こした交通事故で父を亡くしたセロイは、 グンウォンに暴力を振るい、刑務所へ。
父の仇を打つために長家グループを倒すと心に決めたセロイは、梨泰院(イテウォン)で「タンバム」という小さな居酒屋を開き、仲間たちと共に再起を目指す。

1話でいきなり、そのお父様が轢かれてしまう交通事故のシーンがあるのですが、その描写が壮絶すぎてまず白目をむきました。その後、そのことを隠蔽しようとしたグンウォンにブチ切れて、セロイがグンウォンをコテンパンのぼっこぼこにするシーンがあるのですが、そこがもう、見てられないくらいのパワーなんです。殺気と、悲しみと、こみ上げてくる感情を、これでもかというほど拳に乗せるパク・ソジュンの演技は凄みがあって、いがぐり頭なんてどうでもよくなってしまって、第二話へ...というような、そんなはじまり。

そこから刑務所で刑期を満了し、出所して長家グループに復讐を果たす約15年間が16話で描かれています。純粋な男子高校生が居酒屋の経営者から、スタートアップの企業に、そして世界を股にかける青年実業家になるまでのサクセスストーリー。岩をも穿つ信念を持ち、何があっても起き上がる、曲がったことが大嫌いなセロイ。それを、パク・ソジュンが演じてるってんだから、まぁとにかく応援したくなってしまうんです。

最強のDT説

書こうか迷った。DTだなんて言葉、ときめき研究してる女性としてね?でもだって、凄すぎる設定なんだものパク・セロイ。
正確には童貞なのかはわかりません。あ言ってもうた。もしかしたら、ヒロインのスアとハロウィンを過ごしてから再会まで7年の月日を経ているんですが、作品の中では5分ほどに非常にコンパクトにまとめられていて、その間セロイはお金を貯めるためにまぐろ漁船に乗ってることになっています笑。その時にもしかしたら、漁船の中でなんかあって、奪われてるかもしれん。でも、ドラマの中では彼女がいたこともないし、キスすら自分の意思でしたことない描写になっているので、かなりの確率でDTだと思う。いやそうあってほしい。というか、別にDTがあかんとか言うてない。なぜ彼のことをこの研究所が「最強の」と認定したか。この男パク・セロイ、女子のあらゆるキュンポイントをかっさらっていく罪深い男だからである!

まずかっこいい。これは言っておきたい。パク・ソジュンはとにかくかっこいいのである。顔が良いことはもちろんだが、スタイルがいい。高校生の制服から、刑務所の服までかっこよく着こなせてしまう俳優が今までいただろうか(まぐろ漁船のつなぎ姿も見たかった...)。そして前半のストリート系ファッションもいいのだが、後半は実業家としてスーツ着てたり、ロングコート羽織ってたりするのも痺れるかっこよさ。
そんな麗しい出で立ちなのに、初恋を拗らせてて高校生の頃から変わらず一人の女性を愛し続けてるとか...奇跡なの?それもちょっと好きになったポイント突然すぎてわかんなかったんだけど笑、でもその初恋の人:スアは超絶かわいいから、なんか許せる。わかる、私が男でも彼女に一目惚れするわ。

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刑務所から出てきて、スアに一番に会いに来るんだけど、その日がハロウィンなわけですね。女子大生になって垢抜けたスア見て目をキラキラしているセロイとか、渋谷のハロウィンパーティーばりのどんちゃん騒ぎの中を、見てるこっちが恥ずかしわい!ていう甘酸っぱいデートをしてるふたりとか、全部ひっくるめて最高なのだが、極め付けはデートの帰り。スアをおうちまで見送ったあと、スアももちろんセロイのこと好きだし(私たちの大好物の、両思いなのにお互い気づいてないやーつ)、もう大学生で大人だし、こう誘います。「うち寄ってく?」と。初恋の人すよ?向こうからっすよ?何年も思い続けた彼女からこう言われたら、普通の展開だったら...って思うじゃないですか。スアも勇気出してえらい涙。
でも!パク・セロイは!パク・セロイって男は!据え膳も食わないんだよ!! 高校生のときにスアと約束した、お金持ちになったら一緒になろうっていうのを!頑なに守って!「まだお金持ちじゃないよ」とか言うんです。この笑顔で!!!

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あぁ、スアの気持ちになったら消えてなくなりたいよな...、デートも楽しかったしさ、いいかなって思っててさ、なんならスアの美貌なら男性の方から言い寄ってくることのが多いだろうよ。しかも自分から誘ったのに男性からそんなふうに切り返されたら、あっ邪な思いを持った私ごめんなさいって、なるじゃん。っていう、そんなお誘いも断ってしまうような、不器用で純粋な男なんですパク・セロイ。そういうとこ、女子的には萌えです。

で、15年の中でスアとどうにかなるのがラブストーリーの通説。そこに強力なライバルとして現れてくるのが、我らがもう一人のヒロイン:チョ・イソです。

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イソちゃんはセロイのお店タンバムのマネージャーです。IQ162でインフルエンサーだけどソシオパスと診断されているイソちゃん。その頭の良さを活かし、タンバムをサクセスへと導く、いわゆるセロイの右腕を担ってくんですね。
頭もいいし、反社会的なパーソナリティを持つ彼女が、正直でまっすぐでブレない芯のあるセロイのことを、好きになっちゃうんですよね。うん、まぁ別にソシオパスじゃなくても好きになるよなパク・セロイ。
しかしながら想い人セロイは、なにせ相手は初恋の人を今でも一途に思うDT(何回言うねん)。異常なまでに鈍感で、思いを寄せるイソの気持ちには全く気付かずに、経営のパートナーとして会社のビジョンを共に叶えるための、同志のようなそんな関係なんです。

そんな!そんな関係なのに!このパク・セロイという罪深い男は!!気持ちに気づいてないくせに!頭をよしよししてきたり!いつも怖い顔してるのに時折信じられないくらいかわいい顔して笑ったり!二人きりのときに悲しい身の上話してきたり!泣いてたら!抱きしめてきたりしてくる!!!!!こら!!!惚れてまうやろ!!!!いや惚れてますてだから笑。

いや〜すごい。なんなのこの神設定。リ・ジョンヒョク氏の時にも述べましたけど、女性はこの恋愛経験なしピュアッピュアのイケメンにめちゃくちゃ弱いと思う(注:イケメンに限る)。それをパクセロイはさらに、ピュアッピュアだし、仕事に燃えているという、これも女子が大好きな属性まで演じてくれちゃってもう、とにかく素晴らしいんです。

つまるところドラクエⅤみ

そんなセロイが最終的に、初恋の幼なじみの美女スアを選ぶのか、それとも仕事の大事なパートナーでもあるイソを選ぶのか。これがこのドラマの、ビジネスじゃない部分での見どころのひとつなのですが、この構図。かの大ヒットゲーム・ドラクエⅤを彷彿とさせません? 主人公の結婚相手に、ビアンカ(幼なじみの姉さん女房)かフローラ(大富豪の一人娘)かを選ぶっていう、自分の器が試されるドラクエⅤの名物イベントみが、この梨泰院クラスの見どころの一つなのであります。

セロイは、どちらを選ぶのか。
多いにネタバレしていますのでこの際結論から言うと、なんとセロイはイソを選ぶという、いまだかつてない展開が待っています。はい。こういうラブストーリーの定番は、初恋の人じゃないですか。ビアンカ選ばないと人でなし扱いされちゃうじゃないですか。でもね違うんですよ。現代のニューヒロイン・イソちゃんは、自分の力でセロイとの運命を手繰り寄せていくんですね。それも言葉巧みにとか、色仕掛けで、とかじゃない。イソちゃんはセロイの夢を応援して、一緒に追いかけて、時にセロイよりもセロイのことを、会社のことを思って、一生懸命頑張るんです。その思いになんだか、回を重ねるうちに、「イソ...いい子やな...」って、気づいたらビアンカ派だった私も応援してしまっていた...。そしてセロイも気付きます。嬉しい時も、悲しい時も、血の滲む思いをしたあの時だって、15年間のそういう時間を共にしてきたのはイソだったって。
そうなんす。だから一瞬フローラ:イソが勝つ新しい展開なのか?と思いきや、フローラが結果ビアンカになっていたという勝ちしかないパティーン。本当に、しかし、15年もよく思い続けたねイソちゃん...過労でぶっ倒れるくらい仕事しながら...すごすぎブラボー涙。

好きに気づいたセロイの破壊力

不時着の時にも触れましたが、そんなこんなで思いが実った後まで描いてくれてるのが韓国ドラマ。日本のドラマは実ってTHE END〜が多いけど、めでたしめでたしのその先までやってくれるのが韓国ドラマの醍醐味なんですわ。
そんなわけで、セロイとイソのその先も、最終話でちらっと出てくるんですが、それが、もう、ちょ、あんた、誰!???っていうくらいデレますセロイ。眉間のシワどこいったのよ。あと怪我の治癒力がナメック星人ばりに高いわね。とかいろいろツッコミどころはあるのですがとにかく、自分の気持ちに気づいた後のパク・ソジュンの演技って、まーなんであんなにかわいいが爆発してるんでしょ。イソへの愛おしいが止まらないセロイ。敵にとどめを刺す前に畦道でいちゃつきはじめたときはさすがの私もツッ込みましたし、その優しいご尊顔、さっきまで血だらけ怖い顔でぼっこぼこにしていたセロイはどこいった?となりますが、そのかっこいいも、かわいいも演じられちゃうパク・ソジュンの演技力がやっぱりすごいの一言なんですよね。

そんなわけで、かっこいい・かわいいの二面性を持つ、夢に向かってどんな時もひたむきでまっすぐな、そんなときめくしかない男性像がパク・セロイなのです。

長家とICに組織経営を学ぶ

なんていうそれっぽいタイトルをつけてしまいましたが、梨泰院クラスのもうひとつの見どころが、チャン・デヒ会長率いる外食チェーン長家と、セロイ率いるどベンチャーのIC(梨泰院クラス は、彼らの会社名で略称がIC)のビジネス競争。タイトルにもある半沢直樹っぽさは、恐らくここの印象ですよね。

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韓国で業界1位の長家は、息子のグンウォンの不祥事の隠蔽はするは、横領もしてたは、まぁあらゆる手を使って会社の拡大と存続をしつつ、ICを潰しにかかってくるわけです。組織の中でも裏切ったり裏切られたり、時には親子の絆が危ぶまれたり、とにかくスキャンダルに事欠かない会社なんですが、それでも業界第一位。規模とかプライドのために、大きな黒いお金が動きまくっているそんな経営。てか写真の感じよ。そういう組かなんかかな笑。

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一方のセロイのICは、「長家を潰す」っていうとんでもないビジョンドリブンだけど笑、自分たちの信念を大切にする、嘘はつかない、仲間を信じる、絆を強くするっていう、今っぽい人たちによる今っぽい会社で、義理人情型組織。長家に陥れられて何度も何度も出る杭は打たれまくってしまうんだけど、それでも這い上がり立ち上がるセロイたちを、目頭が熱くなる思いで我々は見守ることになるんです。
この写真、会社の特徴をよくよく表してますね。就職活動の会社説明会でこの写真で説明されたら、ICのメンバー同士の距離感近すぎて志望するの恥ずかしいかもしれない笑。

長家っぽい会社はやはり存在するのでしょうか。明るみに出てないだけで、するんでしょうねきっと。そして悪いことする人たちを、お天道様は見てるから、結局そういう目に合っちゃうんでしょうね。
っていうことを、16話にわたるビジネスレースで展開してくれます。お察しの通り、セロイたちが長家を「倍返しだ!」となるわけですけれども、圧巻です。気持ちが良すぎる伏線回収にあっぱれです。

THE 悪いやつらの演技

この作品を見る上で、もうひとつ目を凝らして欲しいのが、長家グループやその取り巻きのヤクザの方々の演技です。すごいです。凄みが、ありすぎます。
刑務所やヤクザの事務所のシーンって日本のドラマでもありますが、日本の俳優さんだと普段の姿をバラエティとかで見てるからでしょうか。ちょっとコントっぽさがあるんですよね笑。一方、なんだか韓国ドラマのそれは「え、モノホンですか?」というような重厚感があるのです。

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特に長家グループの会長のチャン・デヒ。こちら、ユ・デミョンさんが演じておられるんですが、なんと御年47歳!しぶ!しぶすぎる!どんな修羅場経験してきたらこんなオーラ出せるの?この会長もドラマの中で15年間もちろんご一緒するんですが、15年の中でさらに圧に磨きがかかっていって、最終話のあの演技。あのシーンで発電できるのでは?というくらいに、静から動へのエネルギーが、すさまじい。完全なる憑依系。長家の会長として実在しててほしい本当に。

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そして長家グループの御曹司、グンウォン。これがまた憎たらしいんですわ。なんと形容すればいいのか、憎たらしい以外の単語が見つからない笑。1話からいけすかなくて、途中でいいやつに改心するかと思ったら、1ミリも改心することなく、まじでむかつくまま16話かけぬけてしまった正真正銘の悪者。悪者なんだけどきっと中身はいい人でツメが甘すぎるから、おいおいちゃんとやれよ〜な展開が多くて笑、憎たらしいけど一周回って笑けてくるから不思議。大和田常務的な感じがある。いやーすごい。こんなに感情を逆撫でしてくる演技ができるのもやっぱとんでもないです。あと、悪いやつだから認めたくはないんだけど、ほんのちょっぴりだけ、かわいそうな人なんだよねグンウォン。いろいろあるんですよきっとグンウォンにも。でもムカつく笑。

梨泰院の街を一緒に駆け抜ける全16話

この作品を改めて一言で表現すると上記のようになるから、やはり予告編の池袋ウエストゲートパーク風味の作りはあっているのかもしれない...。いや、でもそれだけじゃない。恋に仕事に悩みながら、みんながそれぞれ成長していく様子が、かっこよくて、爽快。見守る15年の中で、会社がスケールしていって、役割や社会的な立場が変わって、年齢を重ねてみんなの着ているお洋服やお化粧が変わってく。それでも最後はやっぱり原点で変わらない、人として何が正しいかを大切にして梨泰院で生きてくみんなを、心から応援したくなって、こちらも元気がもらえちゃう、そんなドラマです。あとね歌がいい。サントラもおすすめ。

そんなわけで半沢直樹っぽくも、なくもある、ひとくせもふたくせもある梨泰院クラス。観て損はさせません。ぜひ梨泰院の街を、駆け抜けてきてください。そして、沼の底でお待ちしております笑。

長くなりましたが、このあたりで!次回も韓流ドラマについてときめき研究しようと思います〜!