『首都高レポート』キーホルダーを求めて(7月)
街が賑やかな分、貧相が許された首都高
「PA・SAと言えばお土産」のNEXCOとは違い、首都高は高度経済成長期の「東京から車を締め出す」を具体化した無機質な雰囲気が充満する。
何とかなるだろうのギリギリを攻めた構造に皆が神経を尖らせるのだ。それでいて、お休み処のPAは「SAにあるものがないからPA」の次元を下回る。
『首都高みやげ』の存在は都市部の高速道路が抱える“無機質さ”を、若干だが和らげたのかもしれない。そして、近寄り難い印象もまた変わると思う。
首都高にある◯◯◯くじ
最初は落胆した。
川口線新井宿入口から辰巳第二(深川線上り)→大井PA(湾岸線西行き)→辰巳第一(深川線上り)の順で回ったが、何れも準備中。辰巳はコンパクトで大井は横長と言った違いはあるが、サービスがトイレと自販機のみなのは変わらない。
特に何もなさ気な場所だが、都市部にあれだけのネットワークを築いた首都高だ。初見だとびっくりするような箇所が多く見られるが、その意識で『首都高みやげ』もまた面白い方法で販売されているのだ。
DyDo自販機の一角に…
今回のターゲットは、“点数には限りがあります”や“品切れの場合はご容赦ください”という文言があっても不思議ではない品物。
老朽化などで下ろされた標識をリサイクルし、ナンバリングの形にした「首都高標識 リサイクルキーホルダー」に私は吸い込まれてしまった。通販では全て“Sold Out”となっていたが、過去の情報を追っていくと辰巳第一・第二、大井PA(西行)のDyDo自販機で販売されている事がわかった。
3PAは全滅だったけど…
同じ順序を土日を使って3度回ったが、結果は変わらず。しかし、湾岸線にもう一つの希望があった。
大黒PAで奇跡が起きた!
大黒PAという場所には、若干の敷居の高さがあった。仕事で訪れる以外用がなく、そもそも大黒ふ頭出入口を降りた先に広がるのは港湾関係の倉庫や車両の路駐。
それでも一般に“大黒ブランド”が輝くのは、車好きの聖地として有名になったからだ。
休日に訪れた私は当然、ミーティング中のスペースのど真ん中を横切りながら、少ない空きを見つける事になる。
大黒線、湾岸線西行共に出口との分岐があり、出口を利用するとPAには行けず、逆もまた然り。東名高速に近い首都高最西のPAで、規模で言えば東北道からの川口ハイウェイオアシス(川口線)と並ぶ。
自販機販売の対象には記されていなかったが、大黒PAに物販コーナーがある事がわかり、若干の希望を持ちつつ行ってみる事にした。
ただでさえキャパが広く、利用者も多い場所であるだけに、“Sold Out”の可能性が高いと思っていたが、遂に念願の初対面となった。
注目は浴びるけど、“高けーw”って声が多い様子
値段は1,100円。
数ある選択肢に埋もれた一品だが、何故だか目を惹かれる。緑地に分岐の矢印が繰り返し表示される道をひたすら走ってきたからなのか。“首都高標識”の位置が本線上の標識を忠実に再現するエッセンスになっているが、1,100円の高級ボタンを押せば実物の一片に触れる事が出来るのだ。
「高けーw」
私が自販機に近づくとそんな声が聞こえた。
お土産店の中の1,100円と自販機での1,100円では見え方が違うのか、それとも品物自体を高いと思うのかは分からない。
しかし、“首都”高速として首都生活に溶け込んだ存在であるべきで、実際にそうなっている。通勤で利用している路線、地元路線など色々な「縁」があり、“何が出るかな♪”の気持ちで自販機くじをひいてみてはいかがでしょうか。
完結
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