顧客獲得費用と企業成長率

今回の記事では、
一部のスタートアップ企業は、どのようにして急成長するのか?
について考えてみます。

世の中に多くの企業がある中で、短期間で急激に成長する会社は稀です。
急成長する企業には、いくつかの条件があります。
・プロダクトが社会から強く求められている
・市場が大きい
・プロダクトがSAASなど簡単に供給をスケールできる
・広告がハマっている
などです。

今回は、この一番下の項目である
・広告がハマっている
について解説します。

広告の役割は、顧客の獲得です。
そのため、広告の効果は、いくらの広告費用を使って1人の顧客を獲得できたかで評価されます。
これを、「顧客獲得コスト」といいます。
また、1人の顧客が生み出す利益を「顧客の生涯価値」といいます。

仮に、「顧客獲得コスト>顧客の生涯価値」になると、広告をやればやるほど赤字になりますので、破綻します。
広告を継続するには、「顧客獲得コスト<顧客の生涯価値」がマストの条件です。

次に、広告のパフォーマンスが、企業成長にどのような効果をもたらすかを検討してみます。

ここでは、事例を使って解説をします。
仮に、顧客獲得に100円の広告費がかかったとします。そして、その顧客は110円の利益をもたらしたとします。
これは、100円の広告費を使えば、110円の利益(純利益で10円)を得ることができると言えます。

次に、この110円をさらに広告に使います。
すると、110円×1.1=121円の利益を得ることができます。

ここで問題です。これを1か月に1回繰り返したら、1年後つまり12か月目には、いくらの利益を得ることができるでしょうか?
答えは、285円です。

では、別のケースを考えてみます。
広告費を100円使うと、300円の利益を得ることができるとします。
これを、12回繰り返し再投資して回転させると、いくらになるでしょうか?
答えは、17714700円です。

つまり、元々100円だった広告費は、1年後には1700万円以上になるわけです。

このように、「顧客の生涯価値/顧客獲得コスト」が、大きいと急成長できる可能性があると言えます。

現実社会では、このモデルのように甘くなくて、阻む要因が多数あるのですが、「顧客の生涯価値/顧客獲得コスト」の値が小さいと急激な成長は見込めません。
したがって、急成長するための必要条件の1つと言えます。

短期間での成長が必要な場合、開発しているプロダクトの「顧客の生涯価値/顧客獲得コスト」について事前に調べておく必要があります。
仮にこの指標のパフォーマンスが低い場合は、成長には多額の資金が必要になることを考慮しなくてはなりません。


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