第五回リーディング公演『熊野/双生児』公演後インタビュー△『双生児』作家役・大倉圭
①今作品を終えての率直な感想
──元号が令和になった今年は、なぜか自分にとっても転換期というか、大きく変化していく年だなと感じていました。あらゆる"節目"のようなこのタイミングで、この作品に携われた事に素直に感謝しています。
②初めて台本を読んだ時の感想
──面白いなーって(笑)でも本当に。江戸川乱歩の原作はもちろん踏襲されつつ、山本さんの考えや結論がシャープに書き込まれていて、読み入っちゃいました。
③今作品の役と普段の自分との差
──作家と同じく、好奇心は割と旺盛な方なんですけど、彼のような行動力と発想力はないですね。なのできっかけはともかく、最終的な世界には素直に、作家に連れていってもらいました。
④今作品で苦しんだ事
──個人的なことなんですけど、こんな風にお客様の前に立ってセリフを喋る、いわゆる俳優的なことをしたのが、約一年ぶりでして。やっぱり一年やっていないと、色々鈍るもんでして。取り返すのに苦労しました。(笑)
⑤今作品で自分だからできた事
──着物と袴が異常なまでに似合う事ですかね。(笑)
⑥今作の自分の相方に一言
──作家という役が結論にたどり着くためには誰一人の証言も欠けてはならないことを考えると、今作の相方は出演者全員なので、お一人お一人手短に言わせていただきます。
まず福田。大学の同期で、しかも僕の企画にいた君とのシーンは、安心感の塊でした。ありがとう!
そして千奈美さん。共演者のなかで唯一の先輩女優ということで、胸を借りてお芝居させていただきました。ありがとうございました!
最後に佳毅さん。実は勝手にライバル心を燃やしております。作家の最期の一人語りが色鮮やかに映ったならそれは、紛れもなく死刑囚の実力でした。ありがとうございました!
⑦終演後フリートークで話したお客様の中で印象に残った会話
──自分の出た作品じゃないんですけど、やっぱり「熊野」の感想は男女で大きく違いましたね。基本的に女性は、宗盛さんのことを嫌っていましたけど、男性はその優しさに言及していたり。でも、意外と感じたのは、答えを教えてほしいというお客様が少なかったことですかね。「熊野」にしても「双生児」にしても、ある程度の謎をはらんで終わるけれど、それがお客様にとって不快ではないのというのが、印象的でした。
⑧終演後フリートークやいろんな役者と交わってみた今回の戯曲への想い
──「双生児」に来ていただいた僕のお客様三人に作品のことを聞くと、作家である僕が一応の結末を示して終わっているにも関わらず、三者三様に違う推理を披露し始めたんです。これは大成功だなって思いました。(笑)これは、共演者陣が信頼に足る方々だったことと、この作品のそもそもの完成度が重なって、こういう結果になったんだと感じてます。そう考えると、この戯曲はまたどこかで再演して、もっと色々な推理を聞きたいですね。
⑨自分にとって狂天動智とは?
──厳しい訓練所であり、道を示してくれる方位磁針であり、安心できる我が家のような、そんな団体です。
⑩このインタビューを読んでくれた方に一言
──こんなペーペーのインタビューを読んでいただき、ありがとうございました。僕は今後、大倉圭という名前で、どんどん活躍の場を広げれればと思っておりますので、狂天動智と一緒に応援してくださると幸いです。
では、またどこかでお会いしましょう!
バイバイ!
大倉圭△Kei Okura
兵庫県出身、1995年11月4日生まれ。
高校演劇をきっかけに芝居をはじめる。
大学で演技を専攻し、卒業後は関西小劇場の劇団で一年の下積みを経て、現在に至る。
若干24歳とは思えない風貌と体格で、謎の大物感があるため、実年齢より上の役を演じることが多いが、実際は小心者。
【主な出演・舞台】
『双生児』狂天動智
(原作:江戸川乱歩 上演戯曲・演出:山本善之)
『眠らぬ月の下僕』リリパットアーミーⅡ
(作・演出:わかぎゑふ)
『おいでよ!カサブランカ』nidone.works
(作・演出:渡辺たくみ)
※上記の作品には「東久保拓己」として出演。
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