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EDHの大局観を身につけるためのトレーニング

大局観とは?

先日のガチコマオープンで以下のようなゲームがあった。

ログテヴェ→ティムクラ→伍堂→ギラ木
ログテヴェと伍堂が走るのを止めるために、ティムクラとギラ木で手を取り合う必要がある卓。
ティムクラはマナをオープンで返し続けて牽制、ギラ木は《死の国からの脱出》や《多勢の兜》を割れるように《耐え抜くもの、母聖樹》を構えながら展開。
当初の思惑どおりにミドルレンジのゲームにもつれ込んだが、ログテヴェの《頭蓋骨絞め》に母聖樹を切らなかった結果、ログテヴェが圧倒的なアドバンテージを稼いで勝ち。

その後の感想戦で「ログテヴェが〆を出した時点でミドルレンジになることはほぼ確定していたので、すぐに母聖樹を切るべきだった」という結論にいたった。改めて言葉にしてみると「何を当たり前のことを」と思うかもしれない。しかし自分はゲーム中にはそのことには思いいたらなかった。

もう少し一般化してみよう。
「妨害はコンボを止めるために温存するよりも、アドバンテージ源を潰すために早く切った方が良い場面がある」
とでも表現できるだろうか。

この判断は簡単なことではない。妨害をどの目的で使うのか。アドバンテージ源を潰すとして「誰の」「どの」アドバンテージ源を潰すのか。自分の場合はこれを判断するための「大局観」が不足していると考えた。

「大局観」という単語をこの記事では「目先の盤面だけではなく、ゲームがどのように展開していくのかを予測しながら行動を選択していく能力」という意味で使う。言うまでもなく身につければ上達につながる能力だが、これをどうやって身につければ良いのだろうか。

大局観をどのようにして身につけるのか

ゲーム展開を予測する能力を身につけたいのだから、とにかくゲーム展開を予測するしかない。マッチングの時点でゲーム展開を何パターンか予想し、実戦を通じて答え合わせをしていく。この繰り返しによって大局観を身につけられるのではないだろうか。

邪神のお墨付き(?)。

要は「ゲーム展開を予想しつつひたすら実戦」である。今後の練習では常に念頭に置いておくとして、実際にゲームをする以外にもこれを鍛える方法はないだろうか。

というわけでちょっとした玩具を作ってみた。

https://commander-matching-simulator.vercel.app/

大会においてランダムにマッチングが行われる場合のシミュレーターだ。「自分の統率者」を指定している場合には自分の統率者を含むマッチングが、指定していない場合には全統率者からランダムにマッチングが表示される。「他のプレイヤーの統率者」のデフォルト値には第5期統率者神挑戦者決定戦のものを入れておいた。

例えば以下のような結果が出力される。

1《最高工匠卿、ウルザ》
2《冒険好きなホビット、フロド》+《忠実なる従者、サム》
3《ワイアウッドの呼び手、ギランラ》+《東の樹の木霊》
4《虎の影、百合子》

これを見て

  • 中速気味の卓なので、百合子が高速で寿司を握らない限りは望むレンジにたどり着けそう

  • 百合子のコンバットが止まりやすい卓なので、ウルザのアド源を許さなければ自分が一番カードを引けそう

  • 全体的にスタックスの刺さりが悪いので、ウルザは積極的にスタックスを探すことはしなさそう

  • フロド+サムの構成が分からないので、自分がいたずらに妨害を吸って走られる展開は避けたい

といったことを考える。肝心の答え合わせはできないが、展開を予測すること自体のトレーニングにはなる……かもしれない。あくまでも「スキマ時間にもトレーニングできないか」という動機で作ったもので、実戦に勝るトレーニングはないだろう。毎日30時間プレイしろ。

自分と同じく大局観の不足を感じているプレイヤーはぜひ試してみてほしい。

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