見出し画像

「テンプレVERY妻」を焼いてきた《フェミニズム第三世代》の流れ

2014年と古めの記事だが、「テンプレVERY妻」なるものが話題になっていたようだ。読んでみると、さすがに戯画化しすぎている感じもあるが、《自分の美貌、夫のステイタス、子供の学歴で競うのは、20世紀の団地妻の価値観としては典型的イメージだろう。

◆夫と子供のスペックを絶賛粉飾中!
近では『駐在妻』を自称するのが流行っているんです。……子供を「帰国子女」にすることも、VERY妻がノドから手が出るほど欲しがるステイタス。

【VERY妻の[勝ち組]】
●子供:男の子&女の子
●夫の勤務先:官僚、大手商社、都銀、医者など
●仕事:自己表現のための趣味的な仕事(サロネーゼなど)
●住まい:都心のタワーマンションor郊外の洋風一軒家
●旅行先:ハワイ

【VERY妻の[負け組]】
●子供:子なし
●夫の勤務先:中小企業、自営業
●仕事:生活のための労働
●住まい:23区辺境のマンション


上昇婚論争など、2015年以降のネットジェンダー論論壇は、こういった20世紀の団地妻の価値観を焼くことに注力してきたといってもよい。上昇婚はどこまで行っても主体性なく夫の価値を自分の価値と同一視するものだからである。2015年以降のネット上昇婚論争は、女性は女性自身の主体性で生きるべきだと訴える運動でもあった。

これは日本のネット論壇に限った話ではなく、シェリル・サンドバーグの2013年の本「LEAN IN女性、仕事、リーダーへの意欲」や、アン=マリー・スローターが2015年に著した「仕事と家庭は両立できない?:『女性が輝く社会』のウソとホント」 など、「フェミニズム第3世代」などとも名付けられる米国女性の論壇と独立かつ同時に一致した動きを見せている。

日本のネット論壇ではとかく「アンチフェミ」として扱われやすいこの界隈の論壇だが、《フェミニズム第三世代》として第二世代との論争になっている、というあたりであろうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?