ワークライフバランスを望む人のための働き方

本書の目的意識は「いかに女性の管理職を増やすか」である。その論証として第一章で「管理職はワークライフバランスが取れない」ことを示したが、その副産物として「管理職を目指さない代わり、やりがいがあってワークライフバランスが取れる仕事」の条件が存在する可能性も提示した。

そして第三章中の「社会的ロール」で説明した通り、多くの意識調査では、日本の女性は管理職として時間的にタイトな働き方をするより、「やりがいとワークライフバランスを両立できる程度の仕事」を望んでいる人が多い(もっとも、男性でもそのような仕事を望んでいる人は多いだろう)。

女性のリーダー比率=ジェンダーギャップ指数を改善させようとすると、女性に対してリーダーにふさわしい、自分を律する生き方を求めることになる。しかし、女性の多くがそういう生き方を望んでいない(のが現在の意識調査の結果である)以上、それは女性に対して当人の望まないスパルタ的要求を行っていることにもなってしまう。

本書は「女性のための働き方ガイド」というテーマで書かれているため、「女性の望む働き方を実現する方法を例示する」ということを外してしまうことはできない。そのため、本章では、ここまで提示していなかった「出世しない代わりにやりがいとワークライフバランスを追求する生き方」を中心に説明する。

ただし、そのような方法論を「女性向けガイド」として書いてしまうことは、出世しない働き方を「女性向けの働き方」として書いてしまうことになり、ジェンダーギャップ指数の改善を損ねてしまうだろう。筆者としては、それを避けるため、あえて本章を後に書くこととした。

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現在執筆中です。現在は第二章まで、いわゆる「上昇婚/下方婚忌避論争」のメイン部分まで来ています。第三章以降を書くとフルの新書サイズになるため、値上げするかもしれません(すでにご購入いただいている方には影響がないはずです)

現在執筆中です(第二章まで仮の脱稿をしました)

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