【小メモ】コロナ対策に注力しすぎて超過死亡が出てしまったらしい例

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コロナ対策では、超過死亡という数字も注目される。検査しきれなかったコロナ死者や、医療崩壊の巻き添え被害といったものも反映するからである。その昨年の全世界の超過死亡について、WSJから記事が出ていた。

コロナが多く、それ以上の超過死亡が出ている国

アメリカの場合、コロナの死者よりもかなり多くの超過死亡が出ているが、検査しきれなかったコロナの死者と医療崩壊による他の病気の治療失敗の例も多いのではないかと思う。

ロシアはコロナ死者数に対して異常に多くの超過死亡が見られるが、コロナの死者数の統計がおかしく3倍超に訂正が出されており、これは統計上の問題でコロナ死者数はもっと多いと見たほうがよさそうである。

負の超過死亡が出た国

また、既報の通り日本、台湾、豪州、ニュージーランド、モンゴル、ジョージアは負の超過死亡が見られ、少なくとも日本で分かっている限りは風邪やインフルエンザ等他のウイルス性肺炎の減少によるものと思われる。日本以外の負の超過死亡の国も人口比で見れば日本と同じようなもので、同じような理由と思われる。

コロナは抑えたのに超過死亡が出た国

ついで、やや謎が残るのが、コロナは抑えたのにやけに多い超過死亡が出ている国である。具体的には、韓国、シンガポール、マレーシア、ギリシャである。

これについてはいくつか仮説があるが、日本の空港検疫での到着者の陽性率や、当該国の検査の陽性率などから見ても「隠れコロナ死者」のようなものは想定できない。もっともありそうなのは、コロナ対策に注力した結果、他の医療介護がおろそかになり、その結果超過死亡が増えたのでは、というものである。

医協が崩壊を警告した理由は「巻き添え被害(collateral damage)」のためだ。韓国政府が過度に新型コロナの治療だけに集中したところ、別の疾患をもつ患者の生命が脅かされている状況だ。
――大韓医師協会、国家医療危機緊急事態を宣言 「今年コロナ以外で2万人超死亡」2020.12.24 06:28 中央日報日本語版

これに関しては定量的な証拠がないので大韓医師協会のコメントも推測含みだとは思われるが、以前に行われた日本の医師が韓国の医師に防疫体制のインタビューによれば、軍医の動員などによりリソースを一点集中的に投入する特徴があり、その傾向は確かにあるように思う。

これと同じことは私も当初の2020年3月に、訪問介護でのクラスタに対して、だからといって介護を止めるわけにもいかず、とう形で指摘していた。可能性としては考えられたが、実際にそうなったらしい国も出たか、という感想である。


日本の病院はコロナ治療に注力すべきか?

日本の医療体制を語るとき、コロナ専用フォーメーションを組んでいないからコロナ用のキャパシティが少なく早めのロックダウンをかけざるを得ない、と言った意見を見る。しかしながら、コロナに注力しすぎて他の超過死亡が出ているらしき例などを見ると、これも額面通りに受け取っていいかはやや疑問の残るところである。

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