見出し画像

空気調和設備#01

空気調和設備(以下、「空調設備」)に関連する過去問から、得点するための知識を抜粋しました。①空調設備の概要と冷暖房の熱負荷について。②単一ダクト空調方式【図】

空調設備:単一ダクト方式

 空調設備の目的:空気調和の4要素
温度・湿度・洗浄度(空気質)・気流分布」を適切にコントロールすること。

出題のポイント:主要なキーワードを過去問より抽出
熱負荷の種類|単一ダクト方式の機器構成|空気の状態変化|吹出し空気と流量の制御|圧縮式と吸収式冷凍機|ヒートポンプ|COP・APF等のエネルギー効率の評価指標|蓄熱式空調|デシカント空調|クリーンルーム等


H26 H30 
外気取入れ経路に全熱交換器が設置されている場合、中間期等の外気冷房が効果的な状況においては、バイパスを設けて熱交換を行わないほうが、一般に、省エネルギー上有効である。👈〇正しい

解説:全熱*交換機
全熱交換機は、室内の排気空気と新鮮な外気を入れ替える装置です。冷房時には、室内の冷たい排気空気で外気を冷やし、暖房時には排気空気の熱で外気を暖めます。このように熱を交換することで、冷暖房の負荷を軽減し、省エネや快適さに貢献する装置です。全熱*:顕熱+潜熱。

解説:外気冷房
外気温が室温よりも低い中間期(主に春秋)に、冷凍機などを稼働させずに外気を導入して冷房する「微冷房」のことです。冷房負荷を軽減し、エネルギー効率を向上させることができます。この場合、全熱交換機は動作させない方が省エネになります。

H26
空調運転開始後の予熱時間において、外気取入れを停止することは、一般に、省エネルギー上有効である。👈〇正しい

R01(H26類似問)
空調機のウォーミングアップ制御は、一般に、外気ダンパーを全閉にするとともに還気ダンパーを全開にする制御等を行い、空調の立ち上がり時間を短縮する方法である。👈〇正しい

解説:ウォーミングアップ制御
空調運転開始直後に、外気取り入れを停止することで、冷房時は高温・高湿度の外気による冷房負荷を軽減します。暖房時は、低温・低湿度の外気による暖房負荷を軽減し、冷暖房の効率を向上させ省エネに貢献します。

H27
照明の電力消費量を減少させると、冷房用エネルギー消費量も減少させることができる。👈〇正しい

解説:照明と冷房負荷
照明が発する光は部屋内の熱を吸収し、温度を上昇させる可能性があります。そのため、照明の使用量が多いと部屋の温度が上がりやすくなります。照明の電力消費量を減らすと、部屋の温度上昇が抑えられます。結果として、冷房の必要性が減り、冷房用エネルギー消費量も削減されます。

H27
室内負荷が変わらない場合、空調機の外気取入れに全熱交換器を使用することにより、空調機にかかる負荷が減り、空調機の送風量を小さくすることができる。👈X誤り

室内負荷と送風量|全熱交換器と空調機
室内負荷の変化
は、空調システムの送風機能力に影響を与えます。負荷が増加すると、より多くの冷暖房能力が必要となり、送風機の回転数を上げ、送風量を増加させる必要があります。全熱交換器の使用により、外気の冷暖房負荷が軽減されることで、空調機(空気調和機)にかかる負荷がへり、必要とするエネルギー量が削減されます。

H29
熱負荷計算法には、一般に、定常計算法、非定常計算法等があり、計算の目的により使い分けられている。👈〇正しい

定常計算法(設計初期段階で使用)は、外部や内部の条件が一定と仮定し、一定の条件下での熱負荷を計算する。一般的には、建物の設計段階で使用される。
非定常計算法(時間的な変動や急激な状況変化のもとで使用)は、時間的な変化や急激な状況変化を考慮し、短時間の間における熱負荷の変動を評価する。主に、建物の実際の運用や制御システムの応答を評価する際に使用される。

R2 関連問題
冷却塔フリークーリングは、冷却塔ファンを動かすことなく、冷凍機の冷却水を冷やす省エネルギー手法である。👈X誤った記述

冷却塔フリークーリング
冷却塔フリークーリング 引用元:九州電力

冷却塔フリークーリング
外気の自然冷却効果を利用して空調システムの冷房負荷を軽減する方法です。冷却塔ファンを稼働させ冷却塔内で冷却水を外気にさらし、水の一部が蒸発する際に生じる気化熱によって冷却されます。この方法は、冷凍機を運転せずに冷却塔の冷却効果だけを利用します。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?