『眠れる海の乙女』第7話
「たまたま仕事が休みだったから良いけど、もっと早く行ってくれたら……よいしょ、助かったんだけどね。ほら……もっとお腹、引っ込めて?」
母の優子は、愚痴を言いながらも着付けを手伝ってくれた。
「いいでしょ? 娘の晴れ舞台なんだから……少しは甘えたっていいじゃん?」後ろでおはしょりの長さを調整している優子に言い返すと「だからって当日に『浴衣着たいから持ってきて』『あっ、でも着方わからないから手伝って』って連絡してくる事ないでしょ?」と正論を言い返されてしまった。正論を言われ