個別に立ち上がった世界

緊急事態宣言が発令された。
私の職場がある大阪はあらゆる活動に強い自粛が求められ、弊社も対象都府県のオフィスは5月6日までオフィスをクローズすることとなった。といっても、休業するのではなく、リモートワークに切り替わったのだが。

高度な個人情報と企業機密を扱う業態なので、外に情報を持ち出すことには多くの手順があるし、社外で業務をすることには厳しい制約があった。そのため、あらゆる業務がリモートワークを前提としておらず、とは言えそこそこの規模の上場企業であり経団連にも名を連ねることから政府の要請に応じないわけにはいかず、1ヶ月ほどの準備期間を要しながらも、緊急事態宣言になんとか間に合ったという形だ。IOTチームの人たちの苦労はいかばかりかと思う(そして、彼らはこの期間中もリモートワークの技術的サポートとシステムバックアップのために出勤し続けることになる)。

ともあれ、何事もなければGWまで三週間のリモートワークだ。一週間程度なら訓練と思ってお祭りっぽく楽しめたのではと思うが、三週間はなかなか本気な期間だ。週に何度かWebミーティングに参加するが、対面での仕事が減るため、実質週3日程度の勤務になるのではないかと思う。夢の週休四日制である。

昨日は、出社最終日だった。週明けからもWebミーティングで会うし、メールや電話などでもやりとりはあるのだろうけど、なんとなくみんな離れ難いような感じでいつもより残業してしまっていたようだ。これまでのように、横を向いて気軽に話しかけたり、向こうの島の話題に首を突っ込んでみんなを巻き込んで話たりもできない。「Zoom飲み会」なんてやってみたりもしたけれど、それで代わりになるわけではないことは重々わかっている。でも、それで我慢するしかないのだ。

オフィスでは一つの世界にみんながいたけれど、これからしばらくは各々が自分の世界を立ち上げ、時々互いの世界を繋ぐというコミュニケーションになる。これまでと構造が変わるのだ。

これが明けた時、どんな世界がひらけているのだろう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?