きのう何食べた?
私はおっさんずラブの大ファンで、いわゆる「OL民」なのだが、よしながふみさんの「きのう何食べた?」の大ファンでもある。
もともと漫画が大好きだったのだが、ドラマも素晴らしく良くて、西島秀俊さんと内野聖陽さんのファンになった。
私の年代だと、しろさんのお母さん役の梶芽衣子さんの若い頃のお姿をよく覚えているので、ちょっと不思議な気がする。すらりとした抜群のスタイルで、長いストレートヘア、そしてものすごい美人。強くてかっこいい役柄が多かった。歌手としても有名で、「怨み節」は大ヒットした。
東京に住んでいる時、車の中からお見かけしたことがあるのだが、運転していたボーイフレンドが「おっ!梶芽衣子だ!」と興奮していたのを覚えている。
海外にもファンは多く、かのタランティーノ監督も熱狂的なファンだと公言している。そして「キル・ビル」では、梶芽衣子さんの歌「怨み節」を流しているらしい(観てないので、らしいとしか言えないが)。
その梶芽衣子さんが、あんなに優しげなお母さん役を演じていらして、感無量だった。
四十年、五十年という月日の長さと重みをしみじみと感じた。昔から知っている主役級の俳優さんが、バイプレーヤーとしてドラマや映画に出演なさると、心から応援したくなる。友達でも親戚でもないけれど、なんとも言えない親しみを感じるのだ。
この感覚は若い方にはわからないだろう。だけど、いつか、しみじみとわかる時が来る。
今大活躍している若い俳優さんやミュージシャンをテレビで観ている時、ふと思うことがある。
十年後、二十年後、三十年後、この人は厳しいエンターテインメントの世界で生き残っているだろうか。
そう思うと、「推し」でなくても、愛おしい気持ちになる。
どうか元気でいてね。幸せでいてね。と思うのだ。
最近は道を歩いている小中学生を見ても、そういう気持ちになってしまう。
これって「老い」というものなのかしら。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?