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パチンコMAX機の原因

🔵パチンコの「MAX機」は一体何がまずかったのか


⏺️全国に違法機があふれかえってしまった事情


⏺️ギャンブル性を抑えたい規制とのいたちごっこの歴史がある


⏺️パチンコ業界はよく「20兆円産業」だとか「30兆円産業」というように言われる。


⏺️パチンコ業界の2016年の売り上げ規模は21兆6260億円。


⏺️最盛期の2005年の34兆8620億円


➡️大幅に落ち込んでおり、直近では規制強化の影響で18兆円規模まで売り上げが縮小した。


⏺️監督官庁である警庁


「これ以上ギャンブル性の高い機種に頼るのはやめて、ギャンブル依存症問題に向き合え」というメッセージを出した。


その背景についてここから詳しく説明します。



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⏹️パチンコのギャンブル性の度合はどう測るのか


⏺️パチンコメーカー


警察のこのたびたびの警告に聞く耳を持たない。


「MAX機」と呼ばれる規制上許される限界までギャンブル性を高めた機種の販売を強化。


⏺️「MAX機」とは


文字どおり規制上許される最大(MAX)

⚠️ギャンブル性を高めた機械のこと。



⏺️「ギャンブル性」という言葉

曖昧な表現であるので解説する。


・賭博とは

「お金や品物を偶然の勝負の勝ち負けで得たり失ったりすること」



・「ギャンブル性」とは

決められた時間でより多くの金銭的価値のあるものを賭けて、より多くのものを得られるゲーム。



例、


①1時間で1000円賭けて2000円儲かる。


②1時間で1万円賭けて2万円儲かる。


➡️②のゲームのほうが「ギャンブル性が高い」ことになる。



⏺️考えることは「パチンコの場合。


どのようにこうしたギャンブル性の度合いを測るべきなのか」ということ。



⏹️【①】「大当たり確率」


⏺️大当たりをする確率が低い場合。

低いほど、「ハズレ」として無為に消費する玉が増える確率が高まる。


負けた分の玉がパチンコ台にたまっていくことになる。



⏺️大当たりの継続率を高い場合。

大当たりが連続することで放出できる出玉の数も大きくなる。


大当たり確率が低ければ低いほど勝ち負けの金額は傾向として大きくなる。



⭕️即ち、「(勝ち負けの)波が荒く」なる。



⏺️確率は各機種ごとに公開。


規則上400分の1が限度とされていた。


・2004年の規制緩和で500分の1が上限。

・2005年に400分の1に規制。


➡️MAX機は大当たり確率がこの限界値に設定されていることが多かった。


⏺️400分の1というのはあくまで表面的な値である。


⭕️ユーザーが期待しているのは「連チャン(連続チャンスの略)」
大当たりが連発する確変モードに突入。


この確率は概ね650分の1〜750分の1に設定。




⏹️【②】「ベース」


投じた玉が大当たりではない通常の状態時にどれだけ返ってくるか。


例、

100玉投じて、大当たりがなくとも40玉返ってくれば「ベースは40」というように表現される。


⏺️100玉投じても返ってくるものを考えた場合。


➡️実質的には100-40で60玉しか投じていないことになる。


即ち、玉が減っていくスピードが遅くなることになる。


ベースは、「どれだけのスピードで負けていくのか」ということを表すことになる。


⏺️ベースの値は個別の遊技機ごとに異なる。


警察


概ね、このベースの値が「35」を下回らないようにするための規制を設ける。


例、

代表的なMAX機の大当たり確率は397.2分の1である。


・大当たりに当選すると約1560個

1玉4円であるから6240円弱で当たる。



・連チャンモードへの突入率は50%

397.2分の1に50%をかけた「794.4分の1」が連チャン突入率となる。



⏹️一度の大当たりで10万円も夢ではない


一度連チャンに入ると82%で継続。


そこから1÷(1−0.82)5.55回弱の大当たりが繰り返される。


初回当たり時の影響を加えると、概ね、6240円×(1+5.55)=4万0872円相当のパチンコ玉が払い出される。



⏺️あくまで平均の値


実際にはどれだけ勝てるかはその都度違い、分散する。


多いときには連チャンが10回、20回続くこともある。



⏺️簡単に計算した場合。


一度連チャンモードに入った場合。


20%の確率で大当たりが10回(6万2400円相当)


5%の確率で大当たりが17回(10万6080円相当)


➡️続く可能性があることになる。


一度の大当たりで10万円も夢ではないという、ギャンブル性が高い機種である。




例、

代表的なMAX機の例



投入する玉(アウト玉)

払い出される玉(セーフ玉)


これらが一緒になる採算ラインのボーダー。

1000円(=250玉)あたり16.2回。

100玉あたりだと6.5回。

➡️抽選が行われることである。


これ以上大当たり抽選が回ってしまうと、パチンコホールは赤字になってしまうラインである。



⏹️このような性能の遊技機は規制上、大きな問題がある。


パチンコは「始動口」と呼ばれる盤面中央の大当たりの抽選が行われるメインの入賞口に玉が入ると3個の払い出しが行われる。


⏺️採算ライン

100玉投入すると3×6.5=19.5で約20玉の払い出しが行われることになる。


ベースが20にしかならず、前述の役物比率「35」が達成できずに法律違反になってしまう。



⏺️役物比率規制を達成する為には。


・始動口への入賞を減らして、一般入賞口の入賞を増やす必要がある。


・始動口への入賞を100玉あたり5個程度に減らし、大当たり抽選の回数を減らす。


・他方で大当たりの抽選とは関係ない左右に配置されている一般入賞口から20個前後の払い出しをさせる。


・また、役物比率を上げるべくバランスを取る必要がある。



⏺️いわゆる「回らない」スピード性に欠ける退屈な機種ができあがる。


➡️客がつかず人気が出ない機種になってしまう。



⏹️規制を逃れるために起きた「不正釘問題」


遊技人口が減る中で、ギャンブル性を高めて平均客単価を高めたいパチンコ業界にとって、非常に厄介なものである。


ギャンブルのスピード性を規制する、役物比率に関わる規制が懸念。




⏹️パチンコ業界の汚職


業界ぐるみで、この規制を逃れるための不正に走るようになる。


「不正釘問題」である。


①メーカー、ホールは、検定取得後に不正に釘曲げをすることで、一般入賞口に玉を入らないようにする。


②始動口に玉が入りやすくすることで、ギャンブルの「波の荒さ」と「スピード性」の両立を可能とした。


➡️日本全国のホールは違法機であふれることになったというわけである。



⏺️警察庁の発表


2018年2月に風営法施行規則を大幅に改正・施行。


・MAX機の大当たり確率の上限を320分の1とした。


・1回の大当たりで得られる出玉も従来よりも大幅に縮小。


・パチンコのギャンブル性を下げる取り組みを本格化。


➡️歪んでしまった業界をどのように立て直すか、というのは非常に難しい問題である。

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