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【TXT】拝啓、レコーディングビハインド様【感想】

私はレコーディングビハインドをそれはそれは愛している。その出会いは2005年。嵐の『One』というアルバムに付属していたDVDに、メンバーたちがソロ曲を収録する様子が収められていた。整えられた作品としての音源ではなく肉声をダイレクトに聴ける興奮を味わい、以来亡霊のようにレコーディングビハインドを追い求めている。

TOMORROW X TOGETHERは昨年に引き続いてレコーディングビハインドを公開してくれた。しかもこれまでに類を見ない、25分の大容量。カムバックに先駆けて現れたあのモノクロ写真を見ながら「少しだけでもいいからレコーディング動画を見たいな~」と秘かに(いや結構大々的に)願っていたので、あり余る感動を抑えられず感想を書くに至った。

前置きはさておき。もしまだご覧になっていない方がいたらすぐにでも観たくなるように、レコーディングビハインドの推しポイントを綴ろうと思う。なお大したことは書いていない。ま~~その通りだよね、という範囲を超えないのでご承知願いたい。
なお敬体だと文が冗長になりがちなので、常体の試運転をさせていただく。いつもと違う雰囲気でレッツゴ〜!

ビハインド推しポイント5

1. 炸裂する声のパワー

なんといってもこれが一番ではないだろうか。伴奏とブレンドされていない歌声はなかなか味わえない。VLIVEで聴かせてくれる鼻歌も趣き深いが、絶唱のエネルギーはレコーディングでしか受け取れない。

ビハインドはタイトル曲のみだと思っていたので、テヒョンがいきなりThursday's Child Has Far To Goを歌い出したとき私は圧倒された(2:09)。go~~~のビブラート、美しすぎんか? 

なんと今回はメインだけではなく、バックボーカルの収録まで公開してくれた。音源では誰の声か判別できないような、微細でありながら不可欠なパート。たとえばテヒョンはThursday's Child Has Far To Goでは世にも美しい高音を(13:31-)、GBGBでは幾重にもなるコーラスを(17:28-)披露してくれている。この高音に今回一番ざわっとしたのだけれど、この音域をこんなにも滑らかに軽やかに歌えるだなんて感嘆してしまった。「はい」って返事するのかわいいね。

これを踏まえて原曲の該当箇所を聴いてみると、一層立体的に感じられる。

つい先日『Dear Sputnikのウプズのハーモニーは至高』と書いたばかりだが、まさかThursday's Child Has Far To Goでもウプズハーモニーが聴けるとは思ってもみなかった。このビハインドにも収録されているサビ(10:09-)ではボムギュが低音を歌っているが、ブリッジではなんとテヒョンが潜るのだ。この話、私がくたばるまで繰り返しすると思う。


2. 打てば響くアウトプット

レコーディングエンジニアの方はかなり細かなニュアンスをとぅばくんたちに要求している。もちろんその要求に応えられるからである。誰もが知る通り、彼らは声が穏やかだ。ときにそれがコンセプトに沿わないこともあるだろう。「メンバーがみんな善良なので」と語ったヨンジュン、本当にその通りだよね。しかし今回のコンセプトに向き合う過程で、彼らはさらに表現の幅を広げたのではないかと思う。8:18からのヒュニンカイの歌い方が変わっていく過程は、「変身」「進化」という言葉が嵌るようで最高にわくわくした。

スビンの「空気を少し抜くんですか?」の場面 (5:15)、彼は「何それ⁈」という反応を示すこともなくその絶妙なニュアンスを見事に再現していた。スビンも片耳だけヘッドホン派なんだね。「トーンをもう少し楽しく」のところもすごいなと思ったし、PDさんの感覚も抜群。そして彼ら、音程の調整なんてほとんどいらないのだろうな。


3. PDとの意見交換

上記に関連して、とぅばくん側から「こうしてみたい」と提案する場面も多々見受けられた。私が特に好きなのは、ヨンジュンが「monochrome diamondsをこんな風にしてみてはどうでしょう」とPDに提案するところだ(7:25-)。歌い終わって瞬時に音源をモニターして納得する、その一連の流れに彼が伝説の練習生たる所以を垣間見た気がした。それにしてもヨンジュンの発声はものすごく安定していていいな、いつ聴いてもほっとする。

また苦手とする箇所に関しては「こうすれば上手くできるに違いない」という確信をエンジニアに伝えて、何回も繰り返したり区切って歌ったりと工夫する姿があった。

都度デモを確認するスピード感も伝わってきた。驚いたのが、テヒョンが確認しているデモが完成した曲の調と異なっていた点である(2:24)。これはボムギュがスポウィークにスポしてくれたあの音源と同じ調である。

変更前のデモを聴きながら録音することもあるんだな~!という驚きがひとつ。そしてこの曲は割と完成に近づいてから調が変更されたのかもしれない、というのがもうひとつ。Lonely Boyから続けて再生した場合、今の調(B major)の方が意外性があるから。また元の調(C major)は明るすぎるから。という想像をしてみたが、そのうちボムギュがVLIVEで語ってくれるかもしれない。


4. ものづくりの現場、そして練習風景

やはり録音機材が映っているだけでテンションが上がるよ。
カメラが回っているにしろいないにしろ、彼らは緊張と余裕の均衡がほどよく保たれた環境で歌に臨んでいそうだなと思わせる映像だった。印象的なのはボムギュが「よくお会いする気がしますが」と笑いながらスタッフに挨拶するところ。かわいい。最初から最後までボムギュがかわいすぎて(今回一番の感想コレ)、開始1分にも満たないうちにこの動画に心を奪われた。「ミステイク!」のところも非常にかわいかった。挙げればキリがない。

言うまでもなく、彼らはものすごく練習してレコーディングに臨んでいる。ところが完成された音源を聴くと、そのことはほとんど頭に浮かばない。さらりと歌っているかのように聴こえるが、フィルムに収められていない本当のビハインドの部分にはたくさんの積み重ねがあるのだと想像する。


5. 表現者たちの苦悩

レコーディングを終えたテヒョンがスビンの前に現れたとき(2:50)、彼の脳裏には「あんなにボーカル室に籠ったのに」という悔しさが少なからず過ったのではないかと思う。作詞曲に関しても「満足だと言おうとしたんですが」のあと、編集でカットされてしまった続きがあるのだろう(3:30)。昨日公開されたWeverse Magazineのインタビューでもそのことを語ってくれていた。もどかしさを抱えながら表現を追い求める彼らはとても美しい。

スビンの挑戦も心に残ったな、次は絶対にあなたの歌詞を聴きたいよ。カイとテヒョンのトークは、まるで二人が同室で語り合っている姿を覗いているみたいだった(21:28)。Trust Fund Baby、なぜだかビハインドには1秒も盛り込まれていないけれど本当に難しかったのだろう。
5人のこんな姿を見てしまったらファンをやめることなんてできそうにない。

それにしても「この世で僕しか歌えない」と思いながら「I know I love you」を歌ってくれていたというビハインドに気絶しそう。

ここで過去のレコーディング映像を振り返ってみよう

Crown

レコーディング関連は15:45から。Slow Rabbit PDさんが映っているところがとてもよい。ファンです。そしてみんなの練習風景を見られるのが誠に贅沢。このビハインドがなければブリッジの高音をボムギュが歌っているだなんて絶対にわからなかった。
ブルオレの歓声を録る雰囲気が最高に楽しくて好き~!


Cat & Dog

この動画の存在を昨日初めて知った。この曲、音源はエフェクトが強いのでレコーディングを聴けてすごく嬉しい。英語版の「make a lil' room」で巻き上げるところ超好き。


F2020, Evergreen 2020(cover)

短いけれど5人の柔らかい声が改めて最高だな、と感じられる動画たち。


0X1=LOVESONG (I know I Love You) feat. Seori

いきなりヨンジュンのアカペラから始まるので私の中では殿堂入りしている。ところがレコーディング風景自体は4分しかない。この曲こそいろいろなドラマがあると思うので欲を言えば1時間くらい見たいけれど、ちょっとでも見せてくれてありがとう。


今回のカムバック、彼らが手応えのある日々を過ごせていますように。たくさんの人が笑顔になりますように。私は今宵TEARを開封するのでドキドキです。