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京和みかん
2019年8月21日 10:01
夜の闇にまぎれて声が聞こえる。か細い猫の鳴き声。ぴゅうぴゅう吹く風に声はかき消される。僕は部屋の中でただじっと、見守るしかできない。オレンジ色の光は外に届いているか。君の目からはこの光が見えているか。またか細い鳴き声が聞こえる。がさがさ鳴る音。猫の姿は一度も僕に見えない。夜にまぎれて声だけが聞こえる。やがて、声も聞こえなくなる。ぴゅうぴゅう鳴る風の音だけが聞こえる。君は
2019年8月21日 09:59
人生は歯車。歯車の一つ一つが僕ら。僕らはゆっくり歯車を回す。かちっとかみ合わさると、気持ちいい。けど、かみ合わないものもある。ゆっくり回す人もいれば、速く回す人もいる。他人の歯車に、自分の歯車を合わせてしまう人もいる。僕らは一人一人、歯車を回す速度も大きさも違っている。でも、小さい歯車も大きい歯車もかちっと合わさって、大きな大きなしくみになれば、何かすごいことができるかもしれ
2019年8月21日 09:56
コスモスの花が咲きほこる。母が真ん中に立ち、僕と二人の兄がその横に立つ。小さな思い出。紺碧の空と、さぁぁっと吹きつける風。母は髪を手で押さえて、父はカメラのシャッターを押す。パシャリ。僕らの写真には、母のとびきりの笑顔がある。