【あらすじ・作品テーマ】映画『鏡像のイデア』
あらすじ
「荒木 莉雄を捕まえた」
キャリア組の刑事・藤堂雅人に連絡が入った。
莉雄は上司を殺害し逃亡。元同僚の殺害を繰り返していた。警察が血眼になって捜索をしている荒木莉雄を確保している。悪を決して許せない雅人には、またとない知らせである。
だが、接触してきたのは、鈴木会の若頭・甲斐 馳正であった。
偶然にも鈴木会のシマで見つけ、長谷部裕也を監視役として監禁している事を知る。
莉雄を引き渡す条件として、鈴木会の行為に眼を瞑る事を要求する。
一方、莉雄は監視の隙をつき、部屋から脱出しようとする最中、同じく監禁されている藍野夏月が若衆に襲われている所に遭遇。
莉雄に逆上した若衆と激突し、結果的に夏月を助けることになる。
夏月は莉雄の後を追って逃げ出す。
社会から逸れた二人は居場所を求め、街へと消え彷徨うこととなった。
殺人犯を追う警察、面子を潰されたヤクザ、法律、秩序…。
人が作り出した『社会』、『組織』…様々な概念が二人を追い詰める。
はたして、莉雄と夏月は
『人』が作り出した世界に居場所を見つけられるのか…?
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作品テーマ
現実に狂気と無秩序を感じ、恐怖する
『どこか別の世界に連続して、そのままそっちのほうに行ってしまうのかもしれない。それから死への要求が生まれてくるというもの』
『シュルレアリスムとは何か?』より
北京電影学院の最初の講義で、「映画とはシュルレアリスム(超現実主義)だ」と言われ衝撃を受けました。
世界を主観ではなく客観的にとらえ、極限状態下でこの世界を表現しようとした芸術運動。シュルレアリスムは文学、絵画、舞台、そして、映画に大きな影響を与えました。劉旭光教授に日本とシュルレアリスムの関係を研究しすることを提案され、3年間研究しました。
同じ事を繰り返す日常に、生きてると実感しますか?
ある時、いつもの日常が、突然違って見えた経験はありますか?
極限状態だった会社員時代。
突然、目の前の世界が色濃く映り、肌で世界を感じ襲って来る恐怖を経験をしました。まるで現実と幻想が入れ混じり、混沌した世界。恐怖を抱きながら、死への抵抗がなくなっていく。
その中で、同時に『生きている』と実感した瞬間でもありました。
物語の主人公・荒木莉雄は、同僚を殺害し『普通の世界』から一方抜け出してしまう。
『理性』に従い、後悔し生き続けるのか?
『本能』のままに、この感覚を追い続け『死』に近づくのか?
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