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人、小型機械、牛、ロバで木を運ぶ

12月23日

 遠野市の、馬搬の第一人者である、
馬搬振興会 岩間敬さんのところへお伺いし、様々な木材の搬出方法について教えていただきました。


ロバ調教中の岩間さん

もう一人の受講者、普代村から来られた、
地域おこし協力隊の伊藤あゆみさん。

自伐型林業での地域おこし協力隊として赴任され、これから任される山には細い作業道しかなく、搬出の仕方を考えていたところ、
岩間さんのことを知り、遠野に通われるようになったのだそうです。
同協力隊としての繋がりができ、心強いです。

さて、研修内容です。

まずは人の力。トビを使って丸太を動かす方法を学びました。

「山の斜面をうまく利用すれば、トビでも楽に丸太を運ぶことができるんです。
今は機械で丸太の重さもあまり考えなくなったけれど、昔は人の能力が半分加わっていたから、その分いろんな工夫があったんですね。」
と、岩間さんは話します。

🌳傾斜30度で丸太の重さは0になる。

🌳伐ったばかりの木は重たいので、枝葉のついたまま山側へ倒し、1シーズン葉枯らしさせれば、重さが1/3ほどになる。

次に、マウントポニーという小型搬出機の出番です。
トビで平地に近いところまで出したのち、そこからマウントポニーで集材、搬出を見学しました。


マウントポニー


 ウインチも付いているので、集材もできるすぐれものです。

ウインチで引っ張っているところ
可動式の台にのせ、ガッチャで締めて固定



 一度に長物3本集材できました。力持ち!


次に、運び出すための道具についてお話を伺いました。
 丸太をウインチで引っ張る際に、丸太にくくるのは日本ではワイヤーが主流ですが、
ヨーロッパではチェーンが主流なのだそうです。

チェーンを鋼の金具に挟む形で継ぎ手に接続

チェーンだと長さを調整できる為、便利でした。ただ、継ぎ手が鍛冶屋さんの特注なのだそうです。

そして、ちんちょう。数本のチェーンのそれぞれの先にフックがついていて、このフックを丸太に打ち込んで使用します。
ちんちょうの良さに、
⦿取り外しが簡単。
⦿小口に打ち込んで丸太の向きを変えることができる。
⦿一度に数本、集めることができる。
⦿テンションがかかりすぎた時は外れる。

 岩間さんは搬出時にはチェーンとちんちょうをメインに使用されるそうです。


続いて、牛での搬出、牛搬です。黒毛和牛の牛さんです。

体にハーネスをつけ、後ろにドッコイという牽引用の装具をつけます。

わりと傾斜でも牛さん頑張って登っていきます。

降ろしているところ
長い一本もぐいぐい引っ張ります


牛さんの性格や、調教されているという基礎はありますが、驚きなのは初めての伊藤さんでも牛搬ができたということです。

 岩間さんは、入門者には牛がおすすめなのだそうです。
馬は力が強く早いので、危険も伴うために慣れるのに相応の時間がかかるそうですが、牛はまだ動きがゆっくりなので、扱いやすいとのことでした。
また、牛の市場がしっかり確立されているため、馬よりもかなり安価に購入することができるのだそうです。

牛搬、とても魅力を感じました。🐂


続く。。

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