用語定義
本書の立ち位置
前回記事は、文字要件検討会の第6回の直後に執筆したものである。第7回、第8回の文字要件検討会が実施され検討会は終了?2024.3末にMJ+第1.0版が公開された。前回記事で、課題として挙げたものに赤ペンすることで、課題の解消具合等を見ていこうと思う。
なお、前回記事はこちらになります。
①文字セットMJ+で使用可能な文字が1フォントに収録できず、アプリが2フォント制御必要
デジタル庁から当用フォントファイルの提供があるが、提供時期が遅い。当用フォントファイルに採用されない文字の利用調査があるが、全団体の文字同定完了しておらず精度はどうか。
OpenTypeFontの規格の検討において、グリフ数の拡張が検討されており、こちらの動向および、拡張後のOS、ミドルウェアの対応時期が気になるところ。
・MPEG146
②MJ、JISX 0213のIVS文字、合成文字の取り扱い、EUCへの影響
IVS文字は、当用フォントファイルでIVS外の私用面へも追加、IVSを利用しなくとも利用可能に。(サロゲートは問題ないか?)合成文字は、議論が進んでいないように思われる。
また、EUCの際に当用フォントファイルを使って良いか不明。
③MJ+からJISX 0213への代替マップ不完全、代替不能時の定義なし
2024年3末時点では不十分。(代替先なしの文字多数?)当用フォントファイルに対して、代替マップが完備されれば良いか。標準化対象外業務はJISX0213に代替して大丈夫かどうか?
④同一団体内マルチベンダの経過措置の調整
第7回検討会案では、既存文字セットでのデータ連携を認める方向の案が示されたが、結果、標準準拠システムはMJ+のみでの連携となり、本課題は残るか。
⑤マイナンバーカードの文字セットと不一致
標準化においては、大きな問題ではないが、次期ナンバーカードの仕様検討においても検討の気配なく、今後の報道やなんらかの問題発生時に、顕在化するか。
また、iPhoneにも来春券面表示機能が搭載される模様。その際は、マイナンバーの代替文字での表示となろうかと考えられる。標準化における代替文字と相違が出ることが考えられるが、どうなのだろうか。
⑥ベースレジストリ「MJ+」は公開範囲が地方公共団体
MJ+を広報するようだが、一般公開されない仕様は今のところ変更がなさそう。
⑦異体字に関すること
追加情報なし。異体字にかかる自治体間の揺らぎは残るか。
⑧アドレス・ベース・レジストリの文字セット
正式版ABR(町名フルセット)に登記統一文字や他の文字セットとの情報があるが、解説書準備中につき、詳細不明。
昨年度のアドレス・ベース・レジストリの登記統一文字の反映に関する調査研究の結果が正式版ABRに反映されたのだと思われるが、登記統一文字と、MJ+、ABRの関係性は解説書待ちか。
また、登記固有文字に係る調査が今年度予定される模様。
⑨同定補助金利用決定後の無償同定ツールリリース、同定基準
同定基準は、2024/6/5にデジタル庁が公表。今までの文字整備事業における同定基準との差異が少なからずあり、整合性が気にはなるが、今後はこちらがバイブルになるだろう。
・文字包摂ガイドライン
⑩戸籍と住民票の字体不一致
改製不適合戸籍としてイメージ管理戸籍が残った場合、この問題が残る可能性あり。(戸籍はイメージ管理。住民票は、MJ+)本籍地と住所地が違う場合などの戸籍と住民票の字体不一致に対する対応は気になるところ。
⑪MJと+文字の文字整備時(国際化やMJのUCS変更など)・基本文字フォント改め当用文字フォント、予備文字ファイルの運用方法が不明瞭
状況に変化が見られない。
⑫文字追加見込み
状況に変化が見られない。文字追加の運用は、少しずつ固まってきている印象。
⑬本人確認問題と個人・家のアイデンティティ・運勢
今まで通りどうにかやっていくしかない。画数が変わったら運勢(姓名判断)は変わるが個人の気持ちの持ちようかもしれない。
✳︎戸籍は、永遠の経過措置で字形を維持して、運勢は変わらないですよと。
⑭住登外・法人での文字の扱い不明瞭
法人については、検討が進められている模様。住登外のみで利用された外字がMJ+になかった場合、包摂しきれるかどうか。
⑮国の文字セットがたくさんある問題とその適用範囲について
11.と同様、状況の変化が見られない。
⑯戸籍を含めたのに・・・。
戸籍は、無期限の経過措置、そのほかのサブシステムは、全団体移行完了までの経過措置。
⑰JISX0213も万能でない・・・・。
変化なし。(どうしようもないか)
⑱IVS使いづらい問題
当用フォントファイルの使用が認められれば解決か。
⑲旧外国人登録者、住民票除票者データの取扱い
法人の屋号と同様に検討して欲しいところ。当用フォントファイルどころか、MJ+に同定できない文字について、見解が必要。(現時点では、MJ+は戸籍で使用しているかしか確認していない。)
⑳IPAmj明朝の半角文字等幅でない問題
当用フォントファイルで対応されるとのこと。
まとめ
第8回文字要件検討会を以て、検討会は終了したように見えるが、その後も、包摂基準なども発出されている。今後のロードマップがはっきりすれば、もじもじしている状況は脱せるのではないかと考えられる。