海のそばで生きて、陽を殺して
明け方の海はひどく他人行儀だった。真夏の朝の速度にはついていけないとことごとく思った。私は明佳の肩にもたれかかり、そっとその手にふれた。明佳はこちらを見ることなく、私の手をぎゅっと握り、私を見ないまま、微笑んだ。
海しかないこの町は私にとても冷たい。
17歳。宙ぶらりんな女子高生。いじめられているわけでも、親に虐待を受けているわけでも、恋に破れたわけでも、自然災害に悩まされたわけでもない。それなのに、こんなに生きづらくて、死んでしまいそうなほどに不安で、泣き出しそうに明日