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ユダヤ人大富豪の教え 読書記録36

自由人と不自由人の人生の違い

「自由人と不自由人の人生の違いはどのようなものですか?」と僕は聞いてみた。
「まったく違うね。自由人は、朝目を覚ますと、爽快な気分でこう考える。『ああ、素晴らしい日だな! 今日はどんな楽しいことをしよう?」。一方、不自由人は、朝目を覚ますと、こうつぶやく、『ああ、今日も会社か、あと五分だけ寝てよう』」「僕は、もう五分寝ていたいタイプですね」
「自由人の人生には、『しなくてはならないこと』がとても少ない。朝起きてから夜寝るまで、すべてその人の自由時間だ。自分のオフィスに通勤する必要もないし、誰かに気を遣う必要もない。自分がやりたいことを探して、それを心ゆくまで楽しんでいたらいいのだ。家事や車の運転、料理なども、気が向いたらするし、面倒くさければ、やってくれる人間がいる。ゴルフでも、旅行でも、好きなときにいけばいい。
一方、不自由人の人生には、『やらなければならないこと』だらけといってもいいぐらいだ。朝起きて、急いで朝食を食べ、通勤の車にあわただしく乗り込む。オフィスに着くと、自分が誰かなんて考える余裕などない。仕事をいかにこなすかしか頭にない。たまにボーッと考えることは、前の週末が楽しかったことと今度の週末のことぐらいだ。自分の自由になる時間はほとんどない。家に帰っても、すべきことがたくさんあるからね。子どものことや、家事、家の雑事、全部やらなければならない。人生で好きなことなど考えている余裕もない。

実際、以前私のところに相談に来た中に、おもしろい奴がいたな。君に話したように「幸せになったり、金持ちになるためには、時間をかけて自分を見つめる必要がある」と言ったんだ。そうすると、彼は何て言ったと思う?『そんなこと考える時間がありません!』と悲鳴のような声を出していた。それこそがまさしく問題なのだよ。
不自由人は、自分で自らを不自由にしている。夜や週末の時間を平日の仕事の憂さ晴らしに使ってしまっている。その貴重な時間を使って、自由な人間になる計画を練るなんてことは考えもしない。人生を見つめなおして、再構築するなんていうことに顔がまわらないんだ。もう少し、やる気のある連中は、簿記を習ったり、コンピュータを勉強したりしている。でも、彼らも、自分の努力は、より優秀な不自由人になるためのトレーニングにすぎないことを知らない」「なんか、話を聞いていると切ないですね」
「私もそう思う。でも、実は、彼らが望んでいることなのだ。自分を変革する面倒な作業よりも、日々の生活に追われるほうがいいのだ。その証拠に、そこから出たいと真剣に思った連中は、自分に向き合い、人生を変えている。私は、たくさんそういう連中を助けてきたのでよくわかる。その人が真剣に人生を変えようと決めるまでは、何も変わらないのだよ」
「…………」
「不自由人は、とにかく、やらなければならないスケジュールで手帳がいっぱいだ。
『仕事をやる気分じゃないから、明日から二週間バカンスに行ってくるよ』なんてことは許されない。自由人のスケジュールは、自分で好きに決めていい。忙しいのが好きなら、忙しくしたらいいし、のんびりタイプは、何もしなくていいのだ。彼らの中には手帳をもっていないのもいる。その代わり、彼らは何をもっているんだと思う?」
「さあ、何でしょうね。スケッチブックか何かでしょうか?」
「近いね!彼らは、スケジュール手帳の代わりにアイデア帳をもっている。フッと頭に浮かんだアイデアを書き留めるノートだ。不自由人は、能率を上げれば成功できると思っているので、手帳をもち歩く。そして毎週同じようなスケジュールをこなすのに、アップアップするのだ。
自由人は、クリエイティブなアイデアが成功を約束してくれると知っているので、アイデア帳をもっている。自由人の人生は、エキサイティングだ。思わぬ展開で、次々ドラマが起こる。その新しいチャンスやプロジェクトを心から楽しむ時間とお金に恵まれている。自分の興味のおもむくまま、人生の楽しいイベントをこなしていくのだよ」
「ここまで、聞いてきて、どちらかというと自由人の人生のほうがいいと感じるんですけれど、どうすれば自由人になれるんでしょう?」
「素晴らしい!!君はいい質問をするね!よくそれを聞いてくれた。たいていの人
間は、質問の前に「どうせ自分はできない』と考えて、自分で自分を門前払いしてしまう。質問すること自体に恐怖を感じるので、聞くことすらやめてしまう。『どうしたら自由人になれるのか?』は最高の質問だ!実に素晴らしい。今後も、そのような大切な質問をする勇気をもってほしい」
「そうですか?」
誉められるのがくすぐったかった。うまくおだてられて、有頂天になった。彼のような人を乗せる天才にかかれば、僕のような人間をその気にさせるのは簡単なことなのだろう。

思考と感情の力を知る

クルーザーのデッキでお茶を飲みながら、話は続いた。
「日常的に自分が考えていることを絶えずチェックしなさい」
とゲラー氏は語った。
「日常的に考えていることが人生をつくる。金持ちは日常的に豊かさ、新しいチャンス、楽しいイベントのことを考える。お金に縁のない人は、月末の支払い、イヤな上司、リストラ話など貧困につながるようなことばかりを考えている。どこに、ふだんの意識を集中させるかで、君の将来が決まるといえるだろう。
自分の思考がどれだけ大切か理解できれば、成功するまでの時間は早くなる。自分が将来やりたいこと、したいことにフォーカスしなさい。ある研究によると、普通の
人は一日に数万個のことを考えるらしい。その思考の大部分が破壊的なことであれば、君の人生は同じように破壊的になる。
人生は、『考えること』と『行動すること』の二つでできている。いままで考えてきたことと、思考の結果行動してきたことの集大成が君だ。健康に気を遣う人は、口に入れるものに注意する。食べるものが体をつくることをよく知っているからだ。だが、人生の健康を望む人間のほとんどが、頭に何を入れるのかにさっぱり注意しないのは、不思議でならないね。
素晴らしい人生を生きたければ、頭に幸せのもとになるような考え方を入れることに気をつけなければいけないのだよ。頭に入ったものが、君の思考をつくり、思考が人生を形づくるのだからね。読む本のメッセージ、見るテレビ、つき合う人が話す内容に気をつけなさい」

内面で起きている自分自身との会話を紙に書くこと

「ふだん考えていること、感じていることは、紙に書いたほうがいい。紙に書くことで、しっかり焦点が定まるからね。多くの成功者は、みんな自分の思いや考え、感情やビジョンを紙に書いている。それはとても理にかなっているのだ。自分の思いを紙に書いていなければ、何を考えているのか、感じているのか、はっきり認識できない。
自分の本当に欲しいものを知るためにも、いろんな考えを紙に書きなさい。感じていることも、紙に書くことで整理されてくる。
できれば、最初のうちは朝から晩まで考えたことをすべて書いてみることだ。そうすることで、いままで見えない部分が見えてくる。そこで、果たしてこの考え方は、自分の人生の役に立っているかどうかを検証すればいい。自分の思考をコントロールできるようになると、初めて、君は自分の人生の主人になることができる」そのために何が必要なのか、ゲラー氏は言葉を続けた。
「男女関係でも、ビジネスでも、成功したければ、コミュニケーション能力を高めなさい。あまり知られていないが、コミュニケーションには二種類ある。自分の内面とのコミュニケーションと自分の外側とのコミュニケーションだ。多くの人はこの二つがあることすら知らない。
だから、自分が何を感じて考えているのかわからないまま人生を生きる。自分のことがわからないのだから、外側ともしっかりとしたコミュニケーションが取れるはずはない。ほとんどが夢遊病者のように生活しているといえよう。朝になれば、あわてて着替えてオフィスに出かけ、仕事に追われて一日を過ごす。日中は目の前のプロジエクトに集中し、雑事に没頭する。
自分の人生という面では、まったく何も考えないまま一週間を過ごす。頭のいい連中ほどそうだよ。彼らはなぜそれをやるのか疑問をもたない。正当な教育を受けてない人間はなぜそれをやるのか素朴な疑問をもつのだ。また、自分には学がないと思うので、知識欲が出密だ。大学を出た連中は、なぜか学ぶのはもう終わったと思ってい
るようだ。
ともかく、『自分が何を感じているか、考えているのか』に意識を集中させなさい。
そして、自分が何をやるのが好きなのかを探しなさい。
高等教育を受けた人間ほど、何が有利か、得か損かしか考えない。すぐ計算してしまうので、自分の本当の欲求に気づかない」

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