プライドなんていらんわ!生きるためにバイトに行った話。
こんにちは。
おそうじインストラクターという職業を勝手に作った、美装工事の職人で、整理収納アドバイザーもしているKYOUKOと申します。
お掃除屋さんなのに、絵や文章を書くのが好きな、2人娘のお母さんです。
この状況によって、リアルに自分の現場が1週間延期になり、どうしようかなと考えていたら、知り合いの解体業の社長が、ちょうど人工(にんく)が足りないから来てよと言われたので、有り難くバイトに来させて頂いてます。
外に出ては行けないし、テレワークとかの問題じゃない現場の私は、働き方をどうするか常に考えていました。でも国も何も当てにならないし、やっぱ頼れるのは自分です。
あなたには配偶者がいるから大丈夫っしょ、といつも言われますが、意味が分からない。私はパートナーにおんぶに抱っこしたらいいという考えが苦手です。甘え下手とはまた違ったお話。それぞれが各々の人間で、それぞれ助け合って暮らしたらいい。足りない時は補えばいい。
生きるには、お金がいるのです。しょーっもないプライドや御託を並べる暇があったら、私は自分の出来ることを何でもいいから見つかるまでやるという、荒削りな生き方をしてきました。今もそう。目先の金?それでいい。私の来月の経費のカードの引き落としは16万もあるんだ!涙
もちろん貯金がないわけではない。しかし、元気なうちに元気じゃなくなった日のお金を稼いでおくのは、病気したり働けなかったりしないとわからない価値観なのかもしれません。
私は実家が土木関係の仕事のため、小さい頃から現場に足を運んでいて、あの現場独特の土と木の粉クサい感じは親しみがあります。パートナーも建築関係なので、現場にあるものの名前はいつの間にか知っていたり、とにかくどっぷり建築、土木な環境。
自分は内装の後の工事なので、全く絡むことはない業種ですが、建築や土木など、色んな仕事はどこかで全部つながっているんだなあと思います。
今回の解体作業は、ある施設の室内解体で、入口は狭く、小さなユンボ(重機)しか入らないような場所に、足場がちょこちょこ組んであり、一部は壊すけど一部は残す、という工事です。入口が狭いので、それより大きな物は細かくバラすのです。
工場の中の施設なので、木ではなく、主にあるのは鉄骨。ビスどめしてあったり、溶接でくっついていた何かを、インパクト(電動ドリル)で地道に外していく作業から始まり、バールやハンマーを使って振動を与えて壊したり、外したり、力づくで蹴飛ばしたりします。
どんなシーンでも必要なのが、「片付け」です。片付けながら作業する。事務所でも、現場でも、道具があって、使う人がいて、戻す場所があって、作業はその中に成り立っています。料理もそう。もやしのビニールをそのままにしているより、その手で捨てた方が、キッチンで作業しやすいですね。それと一緒。
パッと見はヤンキーのようなおじさんたちは、現場ではたくさんの資格を持ち、皆で問題に取り組み、力を合わせて、プロの仕事をこなします。私は中卒なので詳しくは分からないけど、力学や、物理学の技術がたくさん詰まった現場。危ないし、一歩間違えば死に至る仕事。それでも明るく冗談を交わしながら、なんなくこなしていく現場の人たち。
現場作業員のことをバカにする文章を、昔からネットで見たりしてきたけど、言ってる人たちはきっと現場では一歩も動けないでしょう。
塗装屋さんや瓦屋さんなんか、真夏には炎天下で真っ黒コゲになりながら50度以上にもなる高い場所で作業しています。ゴミ処理場の人やグリストラップ(下水とか汚水)作業の人は、臭いが身体にしみつきます。掃除屋さんは、油のレンジフードの中に、お客さんに見つめられ、薬品がかかりながらも作業します。汚い仕事、嫌な仕事、キツい仕事。これを笑って淡々とできるって、すごいことです。
AIが普及すれば、人間の仕事はなくなると今言われていますが、じゃあこの細かい解体作業を、頭を使って、バールを使って、機械ができるでしょうか?人間には、やっぱり敵わないんじゃないかな。と現場の人間は思います。もちろんAIに頼るところは頼って。
私はまだ現場慣れしているため大丈夫ですが、昨日今日はじめて見る人には、どうしていいかわからないぐらいの騒音と、耳をつんざく鉄骨とハンマーの音にやられるでしょう。
現場仕事の人で、騒音や振動に常に晒されている人は、難聴になったり、体がおかしくなったりしやすい。設計する人、それを頭に入れて準備、作業に移す人、誰かに指示をする人。安全な建物として使えるまでにはたくさんの人の努力や工夫や健康の上に成り立っていることを、私たちは忘れてはならないと思います。
異業種の仕事に触れることで、自分が何に強く、何に弱いかを知ることができます。本当に学びしかありません。皆こんなに頑張ってるんだ、私も個人だとしても頑張らなくちゃ。と思わせていただきました。
ではまた!