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「なんでもあるけど、愛だけがない国」

ベルギー在住の雨宮百子さんがこんなことを書いていました。

留学生たちと話すと、私が日本人ということもあって、まずは口をそろえて日本の「良いところ」を教えてくれる。が、少し仲良くなると日本で生活することへの「違和感」を口にし出す。

ああ、よくわかります。

最初は褒め一色ですが(多分、社交辞令なんですね)仲良くなると、割と言いたいことを言い出します。

冒頭で紹介した「日本のアニメに憧れて来日した」というヨーロッパからの留学生は、「もちろん親切な日本人は多い」と前置きしたうえで、「常にイライラしている人もいるし、それを周囲にまき散らす人もいる」と言って、こう続けた。

「日本のアニメと同じように、実際の日本には何でもあった。でもアニメと違って、現実社会には愛がない

母国は日本のように便利ではなかったけれど、人とのコミュニケーションのなかに、愛があふれていた。日本人は、アニメで描いていたような愛を忘れてしまったのだろうか」

外国人にとって、「憧れの日本」は、アニメや漫画の中の友情だったり青春だったり恋愛だったりなんですね。

なんだか多くの人がこの幻想(アニメの中にあるような素晴らしい世界)にハマっている気がします。
我が家の長男もまさにこのタイプで、日本文化への憧れが半端ありません。

日本に愛がないと外国人が感じる瞬間

アゼルバイジャンに行ったところ、ガイドのイスカンダルさんが、

「日本では、人々は一日14時間も働きすぎだって聞いたけど?」と言い出し。

私は「まあそういう人もいますけど、最近はよくなりつつありますよ」と答えたところ。
過去10回以上は来日しているであろうマレーシアの友人が、

「東京では、電車に乗ったら人々が不幸そうで、誰も笑っていない。お互いに目を合わせないようにしていて、アイコンタクトが存在しない」

みたいな会話をしていて。

ううう。むっちゃ複雑な気持ちになりました。

別のマレーシア人も、日本で電車に乗って人々の表情にびっくりした、と言ってました。

これ、特に東南アジアのいろんな人から(親しくなると)言われてしまうんだなぁ。

東京出身の私は、ちょっとムキになって、「いや、人が多すぎるからアイコンタクトいちいちしていられないんだよ」と言いたくなったけど、でも多分、私もほかの大都市を知らないしな。

イスカンダルさんは、「毎日、歌って踊って楽器を弾いて、家族と楽しく生きている」と言ってました。

海外に行くと思い出すこの感覚は何かなとずっと思ったんですが。

そうだ。
人生をシンプルに生きている人々の存在だな。

日本の人も仲間作りにやっぱり苦しんでる

そしてまた、日本という国は「仲間に入る」ことがとてつもなく難しい。
あんなに漫画やアニメでは、仲間、仲間、なのにね。

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