300本映画を見たら、いろいろと世界がつながって面白かった話
お正月、いかがお過ごしでしょうか。
もしお暇でしたら、映画鑑賞はいかがでしょう。
ロックダウン中から始めた家族映画
2020年、マレーシアではかなり厳しいロックダウンが行われました。
一歩も家から出られない、みたいな感じ。
そんな中、気晴らしに家族で映画を見始めたのです。
「ガス燈」からスタート。
いつの間にか、ルールができました。
「各自、アマゾンやNetflixで順番に好きな映画を選ぶこと。ジャンルは問わない。タブーなし。基本は他人のチョイスに文句を言わずに見る」
家族3人、それぞれ好みが違い、長男はホラー、夫はミニシアター系、私はミュージカルーーみたいな感じです。長男はエクセルで記録をつけていて、全員の評価を一覧にしてます。
どんどん楽しくなって、今年ついに300本になりました。
歴史や地理がつながってくる
ずっと見ていると、時代感覚や国の感覚がなんとなくわかります。歴史がなんとなく頭に入ってくる。
1920年代なら大恐慌、1940年代なら大戦中。1970年代ならベトナム戦争の時代か、みたいな感じで、描写する時代の感覚がだんだん掴めてきます。
映画の制作年代も興味深い。
大恐慌時代は、底抜けに明るいものも多いです。
スタージェス監督の「サリヴァンの旅」では大恐慌時代に楽しい映画を作ろうとする映画監督が描かれています。
戦時中になるとドラマチックな「戦意高揚映画」が増えてきます。バーグマン&ボガードの「カサブランカ」が戦意高揚映画だったと、私は最近知りました。
1970年代に入ると、一気にリアリズムの傾向が強くなり、映像はザラザラし、表現が過激になっていきます。
1980年代にはなぜか、過激で露悪的な映画が多いです。
1990年代、2000年代を見分けるのは、「携帯電話の形」。フリップ型かスマートフォンか、小道具を観察するとわかります。
2000年代以降に入ると、ダイバーシティを意識して、白人以外が重要な役割を演じることが増えていきます(逆に1940年代には黒人や有色人種はほぼ脇役です)。
100本を超えたあたりからは積極的に世界の映画ーータイ映画、マレーシア映画、韓国映画、ドイツ映画、フランス映画などを見ました。もちろん日本映画も。
映画の後は家族で感想大会で、いいコミュニケーションの機会になっています。
おすすめの映画
最後にいくつかご紹介。
以下はみんなが好きだった映画(リンクはアマゾンのレンタル映画です)。
「フォレスト・ガンプ」
70年代のアメリカの歴史を絡めて、偶然に任せて生きる人の人生を描いた作品。おとぎ話みたいですが、実は深い話だと思ってます。
「知りすぎた男」
家族全員が好きなのがヒッチコック。短く無駄なく最初から最後まで楽しめます。私の大好きなドリス・デイが出てきて、一番、印象的でした。
「西部戦線異常なし」
戦争って実際どうやって始まってどう終わるのか? 始まり(先生が学校で子どもたちに闘うことの大事さを教える)から、戦場で起きること、現場の様子を丁寧に書いた作品です。
「波止場」
港湾の荒くれ男たちを描いた映画。今や世界が熱い視線を注ぐコンテナ港になってIT化されてしまいました。当時のマフィアが支配する世界で反抗的に生きる人間をマーロン・ブランドが演じています。
「バッド・ジーニアス」
タイ映画。受験戦争をテーマにしたスリラー映画。協力してカンニングしようとする学生たちの協力が描かれています。スリリングでむっちゃ面白いです。
「インターステラー」
SFで宇宙を描いた映画は多いのですが、これがスケールの大きさという点では一番かも。宇宙旅行のシーンがかなり克明で面白かったし、ストーリーも複雑でした。
「タレンタイム」
マレーシア映画。ミニシアターでやるような、淡々とした描写の映画なのですが、家族や宗教への強いつながりと多民族社会ゆえの葛藤が見えて、ああ、これはマレーシアだな、となる映画。ハリウッドとは何もかも違います。
「トランスワールド」
2011年のSF映画。マーケットの強盗から始まる摩訶不思議な世界。予備知識もなく見ることをオススメします。ストーリー展開のあまりの異常さに驚き、楽しめました。
「28日後」
イギリス映画。ロンドンを舞台にしたホラー映画というかゾンビ映画。
荒廃した町がリアルで物凄く怖かったことと、極限状態の人々の協力が描かれます。
家族には不評ですが、1930年代のミュージカルには底抜けに明るいものが多いです。特にジャズが好きな人はぜひ。ガーシュインやアーヴィング・バーリンなどの当時の名曲がたくさん聴けますのでおすすめです。
昨年もやってました。
それでは良いお正月をお過ごしください。
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