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映画を360本見た私(古い映画が好き)が選ぶ年代順・お正月の20本

新年に、映画はいかがですか?

パンデミック中から映画を家族で見ています

我が家はパンデミック中、マレーシアのロックダウンが厳しすぎて家から出られなかったため、家族で映画を見ていました。

それぞれが好きな映画を選んで、文句を言わずにみんなで見る。ルールはこれだけです。夫はNetflixなどのマイナー系、長男はホラーが好き、私は古い映画(特にブロードウェーのミュージカル)が好きなので、それぞれ自分の趣味満開になりました。

その習慣がパンデミックが終わって、長男が大人になった今も、なぜかまだ続いてます。家族みんなが「今日、映画どうする?」と言って、決まったら出前を取って映画鑑賞ーーそんな特別な日になっています。

できるだけ、いろいろな時代や国の映画を選ぶことにした時期や、「名作」にこだわった時期、いろいろありました。

さてその中から、おすすめのものをご紹介します。
と言っても、正直良い映画が多すぎて選ぶのに苦労しており、完全に私の好みが出ています。どっちかというと、古き良き時代ののんびりした映画や、家族をテーマにしたもの、人間描写が細かいものが好きみたいです。

2021年、2022年にも紹介しましたので、リストが若干被ってますが、こんな感じです。

戦前から戦中の映画(ほぼ無料でプライムで見られます)

コンチネンタル[The Gay Divorcee](1934)

戦前のブロードウェーミュージカルの傑作。暗い時代にこういう底抜けに楽しい映画を見て、人々は楽しんだだろうなーと。離婚を前にした女性と、独身のダンサーとよくわからない探偵と、弁護士が出てきて、キャラクターがむっちゃ面白くて笑えます(この四人は役回りを変えながらシリーズのあっちこっちに出てきます)。コール・ポーターのジャズの名曲「夜も昼も」はここから生まれました。(Prime会員なら無料で見られます!)


トップ・ハット[Top Hat](1935)


戦前のブロードウェーミュージカルの傑作ですが、残念ながらアマゾンにありません(なので、同じメンバーが出てくる「コンチネンタル」をおすすめしておきました。
フレッド・アステアとジンジャー・ロジャーズのダンスと歌を楽しむ映画。「チーク・トゥー・チーク」などジャズのスタンダードになったナンバーもたくさん出てきます。ひたすら頭を空っぽにして見られますが、脚本が割とスピーディーで凝っていて「誤解」がキーワードなので、細かいセリフを聞き逃すとストーリーがわからなくなります。

心の旅路 [Random Harvest](1942)


戦時中のモノクロ映画ですが、恋愛映画ならこれが一番好きかもしれません。第一次世界大戦で記憶を失い精神病院に収容されていた兵士のロナルド・コールマンが、そこで踊り子のグリア・ガースンに助けられて、英国の田舎(デヴォン)に逃走する、というストーリー。長い映画ですが泣けます。ジェームズ・ヒルトンの原作を英語で読みましたが、こっちは全然違っていて、またすごくすごく良かったので、英語勉強している人にはおすすめ。(Prime会員なら無料で見られます!)

戦後の映画(ほぼ無料でプライムで見られます)

紳士協定(1947)


戦後すぐのモノクロ映画で、アカデミー作品賞受賞作品です。アメリカに根強い「反ユダヤ主義」について知ろうとする新聞記者がユダヤ人になりすまして、初めて差別がどういうものかを身をもって知るストーリー。今見るとまた違う感想を持つ人もいるかも。(Prime会員なら無料で見られます!)


愛の調べ(1947)


私が昨年、シューマンにハマるきっかけとなったモノクロ映画です。クララ・シューマンの父親の毒親っぷり。ロベルト・シューマン、ブラームス、リスト、パガニーニなど、当時のスター音楽家がたくさん出てきます。クララ・シューマンを描いた映画は他にも2本ほど見たのですが、キャサリン・ヘプバーンのクララが私には一番しっくりきました。何よりも夢中になって見ているうちに、いつの間にかシューマンの「五重奏曲」やブラームスの「ラプソディ」など名曲に親しむことができて最高。あとリストは本当に寛大な人だったらしく、どの本を読んでも彼の寛大さに触れています。おすすめ。(Prime会員なら無料で見られます!)


雨に唄えば[Singin’ In The Rain](1952)


言わずと知れたミュージカル映画の最高峰。カラーになってるし、華やかだし、ブロードウェーのミュージカル映画を見てみたい、という人はまずこの映画からがいいかも。雨の中を歌い踊るジーン・ケリーのシーンはあまりにも有名ですが、ドナルド・オコーナーとバイオリンを弾きながら歌う曲が好きです。ストーリーは例によってあんまりない。(Prime会員なら無料で見られます!)


知りすぎていた男(1956)


子どもの誘拐をテーマにしたスリラー・サスペンス映画。ヒッチコック作品をどれにするか迷いに迷いましたが、ドリス・デイの歌「ケセラセラ」が出てくるこちらにしました。スピード感のあるスリラーで家族愛も出てくるし、何よりドリス・デイがカッコいい。

(Prime会員なら無料で見られます!)

1970年代から90年代

実は1960年代は大型映画の時代で、あんまり得意じゃない映画が多いです・・70年代からアメリカン・ニューシネマの時代でこっちもあんまり得意じゃないけど一応。

『タクシードライバー』(Taxi Driver) - 1976/2


1970年代は一気に映画がリアリズムに傾きます。これはベトナム戦争帰りのタクシー運転手のみたニューヨークの底辺の話です。当時の映画はエログロ描写も多くて割と苦手なのですが(多分タブーがなくなって流行になったんだと思います)、この映画は心に残りました。

サタデー・ナイト・フィーバー(1978)


ペンキ店で働くトニーが週末ディスコに行ってダンス・コンテストに出るという話。これも70年代っぽい映画で、非常に有名ですが「ディスコ映画か」という先入観があって見てなかったんだけど、最近見てみたら、けっこういい映画でした。

遊星からの物体X(1982年)


南極を舞台にしたホラー映画。リメイク作品なんだけど、南極の基地に閉じ込められながら、得体の知れないものと戦う設定で、むっちゃ怖いです。この作品の続編もあるのだけど、こっちもすごく良かった。

生きてこそ(1993)

アンデスに墜落した飛行機で生き残りの実話をもとにした映画。飛行機の墜落シーンから、雪崩のシーンまでリアルで、またこの状況で生き抜くことを選ぶ人々の努力に驚きます。この話ではカニバリズムが話題になりますが、高地で遭難した人たちの止むを得ない選択だったことがわかります。

フォレスト・ガンプ/一期一会(1994)
アカデミー賞受賞作品。「とりあえずやってみる」系の人生を見てみたい人に。トム・ハンクスが演じるフォレストの人生を通して、「偶然に任せて生きる」ことの面白さを描いた映画で、トムと恋人の生き方が対照的に描かれて面白い。ベトナム戦争など、アメリカの歴史を一通りおさらいする内容にもなっています。

ズーランダー(2001)


男性ファッションモデル業界をおちょくったコメディ映画。トップモデルを狙う二人の男性の争いを軸に、二人が犯罪に巻き込まれていくのですが、本当にアホっぽくて笑えます。でも今の時代の倫理だとちょっと怒られそうな描写もけっこうありますが。短いしすぐに終わります。

(百円です)

アイ・アム・サム(2001)


泣けました。父子家庭を描いた映画(私は子供が出てくる映画にマジで弱いのです)。知的障害のある父親に子育てができるのか? をテーマにしています。子どもが親の知能を超えたら子育ては難しいのか? 今の時代は子どもが親を超えるスピードが速くなってますので、この映画は響くかも。ビートルズが好きな人にオススメ。


スクール・オブ・ロック(2003)


スカッと笑えるコメディ映画。だらしない失業者の中年男性が、なぜか代用教員として学校に潜り込んで生徒にロックを教えるというとんでもない映画。70年台のロックが散々出てきます。最近は「個別最適化された学び」の例として大学院でのおすすめ本に出てきてマジでぶっ飛びました。

トランスワールド[Enter Nowhere](2013)


スリラー映画。森の中でガス欠になって見たものは? この映画はぜひ前知識なしで見てほしいです。とにかくすごい映画でした。

インターステラー[Interstellar](2014)


地球が居住不能になり、住める惑星を探しにいく宇宙飛行士を描いたSF映画。3時間弱の大作ですが、そのスケールの大きさと映像の素晴らしさに圧倒されます。面白かった!(Prime会員なら無料で見られます!)

タレンタイム 🇲🇾(2017)


マレーシアの「タレント・コンテスト」を描いた映画。マレーシア公立中学校の人々の人間関係や家族関係を淡々と描いていて、とても素敵な映画です。淡々としているので、ドラマチックなストーリーを求めている人には不向きかもですが、多民族国家のマレーシアが見えてくる。

バッド・ジーニアス 危険な天才たち🇹🇭(2018)


受験戦争を描いたタイ映画です。お金の力でなんとか成績を良くしようとする子、貧乏だけど賢い子、どこにもいるよね。そんな中での大規模で巧妙な「カンニング」をテーマにしたタイ映画ですが、「カンニング」が完全にアクション・スリラー映画になっていて、圧巻。スケール大きい。タイ映画では、「すれ違いのダイアリーズ」も良かった・・・。(Prime会員なら無料で見られます!)


アス(2019)


社会派ホラー映画。遊園地にきた家族の遭遇する恐怖とは? 「ゲット・アウト」でアカデミー脚本賞を取ったジョーダン・ピールが監督しており、出てくるのも黒人が多いのですが、とにかくものすごく映像が怖く、ストーリーは深淵で、そしてどこかしら美しいのです。ホラー映画ではこれが一番好きかも。

次点

波止場 (On the Waterfront) 1954/7


モノクロ映画。サプライチェーン革命が起きる前の港湾の労働者の世界。すっかり世界の主役になったロジスティックス(運送)ですが、港湾を描いた「コンテナ物語」の前半はこんなイメージ。マーロン・ブランドが繊細な荒くれ者を演じています。

ちなみに家族のベスト3。

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