賢い人ほど陥る「絶対主義の罠」。高校生たちはどうやってそこから抜ける訓練をするのか
「絶対に」が口癖になっていると、思わぬトラップに陥るーー先日、ベンジャミン・フランクリンが「絶対」を避けている話を紹介しました。
若い頃のフランクリンは論争好きな性質だった。それが変わったきっかけは、ソクラテスの裁判の物語を読んだことだった(19)。ソクラテスの謙虚な問いかけの姿勢に感銘を受け、常に自らの判断に疑問を抱き、他者の意見を尊重すること、そして会話をするときは「確実に、間違いなく、といった断定的印象を与える言葉」を使わないことを決意したのだ。
デビッド・ロブソン. 「The Intelligence Trap(インテリジェンス・トラップ) なぜ、賢い人ほど愚かな決断を下すのか」
自信満々すぎると、他人から教えてもらえなくなり、賢いはずの人がアホになってしまうパラドックスがあるのです。
この話をしたら、長男が「学校で習った」と言いました。
マレーシアのIBDP高校の授業(知の理論・TOK)で初期に「絶対主義(absolutism)の危険性」を学んだそうです。
どんなことやっているのか?
本日は授業の様子を教えてもらいつつ紹介します。
議論の技術としての「I think」
絶対主義(absolutism)とはそもそもなんでしょうか。
デジタル大辞泉にはこうあります。
ぜったい‐しゅぎ【絶対主義】
1 哲学で、絶対者または絶対的な真理や価値規準を認める立場。アブソリューティズム。⇔相対主義。
高校のクラス、授業のスライドはこんな感じです。
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