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ドイツでは大学がなぜ無料なのか

こんにちは。

マレーシア人には、大学で欧米へ留学する人が多いです。英国が多いですが、なかにはドイツに行く人たちもいます。

なぜドイツに留学するの?

ドイツは留学生大国で、高等教育の学生の10パーセント以上が外国人。外国人留学生を2020年までに35万人受け入れる目標を掲げてます。大きいのは、大学教育がほぼ無料であることなんだそうです。

ちょっと古い記事ですが、こんな感じ。

〇ドイツにおける外国人留学生受入政策

ドイツでは、外国人留学生を2020年までに35万人受け入れるという留学生受入政策を掲げている。2016年には、外国人留学生数が34万305人に達し、ドイツ全体の高等教育機関に所属する学生の約12%を占めた。なお、2014年の世界の留学先ランキングでは、米国、英国、豪州、カナダ、中国に続き6位となり、欧州域内では英国に続く人気の留学先となっている。近年、受入留学生数は増え続けているが、授業料の安さや英語による博士プログラムの提供及び卒業後に一定期間就労できる権利(post-study work rights)が改善されたことが影響していると考えられている。

マレーシアのドイツ留学生OBたちが設立したのが「German Educare」。ドイツ留学をサポートするマレーシアの会社です。

今日は、この「German Educare」から取材を依頼され、創立者・ジョナサン・ロウさん(写真右端)にインタビュー。日本人が留学するとしたらどんな感じか、聞いてみました。

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ーードイツを進学先として選ぶメリットはなんでしょうか?

まず、ドイツの大学は無料で、大きく学費が抑えられることです。もちろん生活費などもかかりますが、それを合わせても、米国や英国に比べて大きく節約できます。さらに、大学のレベルが世界的に見ても高く、最先端の学びが可能です。

ーードイツの教育費が安いのはなぜなのでしょうか。

ドイツでは、誰もが高等教育にアクセスできるべきという考えがあります。さらに、大学への投資が国のためになると考えられているので、政府と産業界が大学に出資しています。

ーードイツでは外国人も歓迎されるのでしょうか?

ドイツは高齢化が進んでいて、スキルを持った外国人に移住してもらう以外、生き残る方法がないと言われています。そこで「正しいスキルを持った人」には定住してもらう文化があります。また、外国人に対し、オープンなカルチャーもあります。

意外に進んでいたドイツのIT産業

ーー留学生たちは、ドイツでどういった大学に行くのでしょうか。

ドイツにはアカデミックとUniversity of applied scienceと呼ばれる職業大学に近い大学があり、マレーシアからくる人の多くが、このUniversity of applied scienceを選択し、ほとんどの学生はエンジニアリングを学んでいます。一方で、法律や医学はシステムが異なるため、ドイツを選択する学生は少ないです。

ちなみに日本人学生には、音楽を学ぶためにドイツに留学する大きなグループが存在しています。(筆者注・日本の音楽教育はドイツの影響を強く受けています)

ーードイツのIT産業ってあまり聞かない気がします。ITも学べるのでしょうか。

ドイツでは産業革命4.0(industry revorution 4.0) を掲げ、オートメーションの次の大きな革命だと位置付けています。あなたはご存じないかもしれませんが、ドイツには世界最大のIT企業「SAP」があります。

(調べてみたら、出てきました。無知な日本人、私のことか……)

ERP(統合基幹業務システム)最大手の欧州SAPだ。ドイツが生んだこの巨大ITベンダーは今のところ、オラクルやマイクロソフトなど米国のITベンダーの挑戦を退け、ERPで世界トップシェアを維持している。

ーー卒業後の学生たちの進路を教えてください。

マレーシア人留学生のうち、半分はドイツに残り、エンジニアリングに関わる仕事をしています。うち半分はマレーシアへ戻って就職しています。また、数は少ないですが、中国や台湾へ行く人もいます。

ーードイツで外国人の就職はしやすいのでしょうか。

外国人が直接ドイツの企業に就職するのは難しいのです。ただ、現地の大学を卒業していると、ビザが取りやすくなります。6ヶ月のインターンシップや、卒業後一定期間、ドイツの企業で働ける権利(post-study work rights)もあります。

会社でインターンシップとして働かなければならないので、産業界とのパイプも作りやすいのです。また周辺国のEUにもアプライしやすくなります。

ドイツ語ができたほうがいい

ーードイツの大学に入るための資格を教えてください。

大学によって異なりますが、マレーシアのSPTMや、英国のAレベル、IBディプロマなどを終了したことが必要になります。細かい基準や要件は申し込む大学や学部によって大きく違います。私たちはそのサポートをしています。

ーードイツ語はどの程度必要でしょうか。

ドイツの大学には、グローバル化を目指し、英語コースを用意をしているところもでてきましたが、私たちは、マレーシアの学生にはまずドイツ語を習得することをお勧めしています。

なぜなら、ほとんどのコースはまだドイツ語で行われており、流暢なドイツ語が必要なこと、それからそのほうが、ローカルの人に簡単に馴染め、生活や仕事のオプションが増えるからです。大学で学ぶのに必要なドイツ語のレベルは「C1レベル」と言われます。

ーーどうやってドイツ語を学ぶのでしょうか。

大体の場合、マレーシアのプレユニバーシティやカレッジの学生がC1レベルに到達するには、毎週20時間オンラインで学んで、だいたい1年かかります。高等教育(Aレベルやインターナショナル・バカロレア)を取りながら履修している人もいます。

ーー貴社で提供しているサービスを教えてください

まず、ドイツには、400の大学に1000ものコースがあり、オプションが多すぎるため、どの学校で何を学ぶか、選択のアドバイスをします。

また、マレーシア人の元留学生を中心に現地でサポートを行っており、ビザや空港でのサポート、銀行口座開設、シティツアーなどをアレンジします。
どのプログラムを選ぶかで料金は細かく違います。サインアップすると、誰かが面倒を見てくれるコミュニティで、ピアツーピアのサポートがあります。英語ができれば日本人が受けることも可能です。

https://www.germaneducare.com/
(相談は無料だそう。ただし英語になります)

ーーありがとうございました。

なお、この記事によると、ドイツでは2014年から授業料を無料化。
そのため、2002年から、2012年までに留学生は50%も増加したそう(その反動から、最近では外国人学生から授業料を徴収する動きもあるんだそうです)。

また、どんな人がきているのかな? と調べたら、アジアの学生が多いようです(少し古いデータですが)

〇外国人留学生の派遣元
ドイツに留学する外国人留学生の派遣国・地域は、中国、インド、ロシア、オーストリア、イタリアの順となっており、トップである中国からは3万2,268人の学生が留学している。6位以降は欧州地域からの学生が目立ち、派遣国・地域のトップ20までを集計すると、45%が欧州地域から、28%がアジア地域からの留学生となっている。

進路を選ぶ際の参考になれば幸いです。
もし質問があれば、コメントで教えてもらえたら、聞いてどこかで記事にします。

それではまた!

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