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「受動的な学習」による悪影響が教育格差を広げる? という衝撃的な論文
大学院で「英語ができない生徒をどう教えるか」を学んだのですが、ここでちょっと衝撃的な文に出会いました。
以下の論文です。
米国では都市部の低所得者向け学校と、郊外の中所得者向けの学校に格差があることが知られますが、その理由が従来型教育にあるというのです。
都市部の低所得者向け学校と郊外の中所得者向け学校の間に広がる教育的格差は多くの研究で証明されています。その理由は、低所得者と、英語ができない生徒たちは、従来型の「知識伝達型」の教育を受けるために、(新しい教育で実践されている)「自分の知識や文化・言語知識を活用する教育」にアクセスできていないことがあるためです。
Numerous research studies have highlighted the widening pedagogical divide between urban low-income and suburban middle-income schools, with low-income and ELL students increasingly subjected to scripted transmission-oriented pedagogy that fails to build on their pre- existing cultural and linguistic knowledge (e.g. Warschauer, Knoebel, & Stone, 2004).
要するに、「先生の話を一方的に聞く」授業を受け続けていくことが、教育格差につながるというわけです。
えーと、ちょっとショックではないですか?
教育格差が広がる原因が「教育の新旧」にあるとする仮説
これ、私も感じますが、マレーシアのインターナショナル・スクールに付属する「英語クラス」でなかなか英語が上達しないことがあるのです。
「英語特別クラス」を教える先生たちは、片手間に英語を教えているケースも少なくなく、「授業がつまらない」「簡単すぎ(難しすぎ)」「暗記ばかり」という不満を聞きます。ですから、できたら英語クラスなしに、最初から授業に加わった方が、ずっと英語も結果として上達するケースが多いのです。
本論文は、米国では、低所得者やELL(English Language Learner=英語ができない人)が、「台本通りの古い教育」を受けるために、教育格差が広がっているのではと分析します。
そしてこのアプローチには科学的な信頼性がないと言っています。
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