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生徒会活性化計画

 「生徒は教師に従うもの」
 この価値観は、残念ながら学校の中では根強いものがあります。一人一人の先生はいい人でも、学校という組織になると、子どもの人権を侵害せざるをえない場面が少なくありません。これは「学校」と「子ども」との、権力のアンバランスに大きな要因があると考えます。

 どんな組織にも、「建設的な批判」が必要です。もし教職員組合がなかったら、教委からの上意下達に対して、現場から何も意見を言うことができません。同様に、学校と生徒の関係でも、生徒から生の声を拾い上げることが大切です。そのための組織が生徒会であり、ヨーロッパでは学校と生徒、それに保護者の代表が集まって学校のことについて意見を出し合います。

 現状の形骸化した生徒会で、いきなり欧米流の実践はできませんが、既存の生徒会を活性化していくことは可能です。生徒会は本来、生徒主体で運営される「生徒の会」であり、学校側の下部機関ではないことをまずは教師自身が再確認し、生徒会とその最高議決機関である生徒総会の意義を確認することが大切です。
 当然、教員目線で見れば、子どもたちの意見は非現実的であったり、未熟であったり、教員にとっては耳障りだったりすることもあるでしょう。しかしそれも含めて子どもの意見表明権を保障することが大人の役割です。最終的な決定権は学校側にあるのですから、生徒側の代表者と話し合い、その要求が検討に値するものであれば検討し、不可能なものであれば、その要求には応えられない旨を告げ、納得させればよいのです。

 非常に面倒なプロセスのように感じますが、「決まったことに従っていればよい」という教育では「気づき、考え、行動する」生徒の育成はできません。未来の民主社会を形成する生徒たちにとって、自分たちが学校運営に参加するという経験は非常に有用な勉強であると言えます。

子どもの権利条約(抄訳)
第12条 子どもは、自分に関係のあることについて自由に自分の意見を表す権利をもっています。その意見は、子どもの発達に応じて、じゅうぶん考慮されなければなりません。

第13条 子どもは、自由な方法でいろいろな情報や考えを伝える権利、知る権利をもっています。

第14条 子どもは、ほかの人びとと一緒に団体をつくったり、集会を行ったりする権利をもっています。

第28条 子どもは教育を受ける権利をもっています。国は、すべての子どもが小学校に行けるようにしなければなりません。さらに上の学校に進みたいときには、みんなにそのチャンスが与えられなければなりません。学校のきまりは、子どもの尊厳が守られるという考え方からはずれるものであってはなりません。

第29条 教育は、子どもが自分のもっている能力を最大限のばし、人権や平和、環境を守ることなどを学ぶためのものです。

第31条 子どもは、休んだり、遊んだり、文化芸術活動に参加する権利をもっています 。

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