マガジンのカバー画像

学校づくりのスパイス~異分野の知に学べ~

71
学校のリーダーシップ開発に20年以上携わってきた武井敦史氏が、学校の「当たり前」を疑ってみる手立てとなる本を毎回一冊取り上げ、そこに含まれる考え方から現代の学校づくりへのヒントを…
運営しているクリエイター

2024年3月の記事一覧

#68 なぜ間違いが大切なのか|学校づくりのスパイス(武井敦史)

 今回は幼児の言語について研究してこられた今井むつみ・秋田喜美両氏による『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』(中央公論新社、2023年)を取り上げて人間の知の特徴とその発達を考えてみます。「ことば」を手がかりに人間の知性の性質に迫っているところが本書のおもしろいところで、教育関係者にはたいへん示唆に富む一冊です。 アブダクションという思考方法 本書の探究はオノマトペに始まります。オノマトペとは、「ドキドキ」とか「しーん」といったように、「感覚イメージを写し取る、特