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学校づくりのスパイス~異分野の知に学べ~

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学校のリーダーシップ開発に20年以上携わってきた武井敦史氏が、学校の「当たり前」を疑ってみる手立てとなる本を毎回一冊取り上げ、そこに含まれる考え方から現代の学校づくりへのヒントを… もっと読む
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2023年6月の記事一覧

#54 色とりどりな教職員集団をつくろう~マシュー・サイド『多様性の科学 画一的で凋落する組織、複数の視点で問題を解決する組織』より~|学校づくりのスパイス

 前回は単なる個人の総和とは異なる「集団の知性」(集合知)について考えてみました。今回はさらにこの視点を一歩深め、学校という組織の集合知と集団の多様性(ダイバーシティ)の関係について考えたいと思います。  今回とりあげるのは『多様性の科学 画一的で凋落する組織、複数の視点で問題を解決する組織』(ディスカヴァー・トゥエンティワン、2021年)です。筆者のマシュー・サイド氏は英タイムズ紙のコラムニストであり、また卓球の全英代表としてオリンピックに2回出場した経験もあるそうです。

#53「かけ算の学力」を考えよう~オードリー・タン『オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る』より~|学校づくりのスパイス

 今回はオードリー・タン氏の主張をとりあげてみます。氏は台湾において35歳で史上最年少のデジタル担当の政務委員として入閣し、マスクマップ〈注〉 でコロナ危機にいち早く対応したことで一躍世界から注目を浴びました。  独特の風貌や人柄、卓越した才能や業績から、世間のまなざしは、とかく氏個人に集中しがちですが、一方で氏が目指しているのはどんな社会であり、それが実現可能か否かという問題が議論されることは希です。  今回は『オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る』(プレジデン