#47「死」という発明~スティーヴン・ケイヴ『ケンブリッジ大学・人気哲学者の「不死」の講義』より~|学校づくりのスパイス
前回の連載では、私たちの人生の文脈を無視して訪れる「死」の意味について考えました。本連載の50回目となる今回は、『ケンブリッジ大学・人気哲学者の「不死」の講義』(日経BP、2021年)を足がかりに「死」というものの存在が、生きている人と社会に対して果たしてきた役割とその可能性について考えてみたいと思います。
「死」と人類の進歩 生物が個体の死からできるだけ免れようとするのはごく自然な現象です。叩こうとすれば虫は逃げ、植物は光に向かって伸びます。けれども死を日頃から意識して