#2「ゆっくりの力」の再発見~本川達雄『人間にとって寿命とは何か』より~|学校づくりのスパイス
今回は本川達雄氏の『人間にとって寿命とは何か』(角川書店、2016年)をもとに、教育を「時間」の観点から考えてみたいと思います。この本の筆者は90年代に『ゾウの時間 ネズミの時間―サイズの生物学―』(中央公論社、1992年)で世に衝撃を与えた、ナマコ研究者です。この本は出版から29年が経っていますが、現在でも書店で平積みにされていたりします。今回取り上げる本は、生物と時間の観点をさまざまに敷衍(ふえん)して論じたもので、その思索はいっそう広がりを見せています。
時間の観点