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NEEDY GIRL OVERDOSEの感想というか承認欲求の話というか

皆さんこんにちは、こんばんは、おはよう御座います。2022年も1月からいいゲームが沢山発売されていますね。そうそう遊○王マスターデ○エル…ちがう、ポ○モンア○セウス…ちがう、いや違くはないけどボンクラで日陰者の僕らにはもっとうってつけのゲームが出ました、NEEDY GIRL OVERDOSEです。
いろんな人の感想や紹介がネットの海に漂ってるから省くけど、ゲームの内容はちょっと根暗でオタクな(メンがヘラってるタイプの)、でも承認欲求高めな「あめちゃん」が自称インターネットエンジェル、要はユー○ューバーになって「超てんちゃん」としてリスナー達に愛(とコメント読みからのプロレス)を与えながら、100万人の登録者を目指すゲーム。プレイヤーはそんな彼女の「ピ」になって、ネタ集めの行動指示をしたり、配信中のコメントでアンチコメ見つけたら消したり、超てんちゃんのストレスを貯めすぎないようにコミュニケーションとったり愛欲に溺れさせたり、おクスリキメて嫌なこと忘れさせてあげたりしていってサポートしてあげるゲームです。よくある?アイドル育成ゲームみたいなもんですね。

ただこのゲーム、シナリオがにゃるら氏ということもありエロゲや90~00年代を軸にした小ネタが多く、リアルタイム世代や後追いだけどプレイしたゲーム、視聴したアニメネタがでてくるとニンマリしてしまいます。ちょっとネタバレになりますがあめちゃんが本当の名前が○○○って答えた時はあーなるほどねーって唸っちゃたもんね。その前後かでその作品の有名なフレーズをあめちゃん連呼するしね。他にも毒電波…は他のゲームや漫画でも拝借されたりしてるけどちゃんと鉄塔の上から発信されてるとかいうからちゃんと雫に沿ってるなあと関心したり、初配信のネタがでじこがきたにょだったりと、そっち系のオタクで良かった~と思わせてくれるネタが豊富です。

(ぶっちゃけでじこ履修したの去年の半ばに突然再始動するとかでついでにわんだふる版一挙放送するわねって配信がきたからなんだ。それがなければ全然意味がわからなかったのよな。ありがとうブシロード、ありがとうブロッコリー…Love)

あと超てんちゃんは昼と夕方と夜の1日3ターン行動できるんだけど(朝は起きれない)昼、夕、夜とウィンドウ横の背景が変わっていくんですね。その背景が意識してなのか無意識になのかはわからないのですが電線が見えるというのが、エヴァやserial experimentsを彷彿させるようで、妙なノスタルジーを感じさせてきて好きなんですね。何気ない演出なんですけど、そういう細かい所が相まってこのゲームに没入感を与えていってくれるのかもしれません。

然しながらただ懐かしオタクの小ネタを探すゲームでは若い子はついてこないと思いますし、ネットでここまで話題にも、Steamで1週間経つ前に全世界で10万本販売になったりはしません。このゲームの一番の魅力は承認欲求に飢えているあめちゃんが、インターネットエンジェル(配信者)としてどういう行く末を辿るのかを、「ピ」としてユーザーが追体験、人によっては共依存に似た感覚を覚えながらプレイしていくからではないでしょうか。

ネットで誰とでも繋がれるし、自分の言葉や配信を全世界に簡単に届けれるようになった昨今ですが、だからこそ他人と自分との違いが簡単に比べられる時代になりました。友達内では一番うまいと褒められたゲームも、ネットの海にダイブすれば幾万の上がいることを嫌というほど味わうし、時には心無い言葉がメッセージで相手から届くこともあります。自分なりに頑張って描いたつもりの絵や写真も、圧倒的フォロワー数の前には全然伸びなかったり…。リツイート、いいね、バズる…いつからか可視化される数字とともに承認欲求に追い込まれていく人が増えてきました。偉そうな事書いてますが僕自身だって、ネタ投稿とか(自分の中で)面白いと思った写真とかあげるときにもしかしたら伸びるかな…という期待が全く無いわけではありません。それでいいねされたらよっしゃ!って思いますし、何も反応なければあれ?と不安に駆られたりもします(それでいて、何気ない一言とかが急に伸びたり、著名人のアカにRTされて伸びたりするとえー!という気持ちとともにドーパミンドバドバでたりもします。SNS怖い)。
あめちゃんも同じで配信でオタクに媚びたり、嫌なコメントや指示厨が来たりもして、最悪ODのお世話になったり時には出会い系でストレス発散するために「お食事」しにいったりして心の平穏を保ったりするけど、結局それらも相手から必要とされているんだという承認欲求を満たすためのものだったりします。正直年をとったり社会人としての経験を積めば、そんな承認欲求を追うことに疲れたり、却って傷つくだけなんだと悟ったりと一種の「諦め」もつくのですが、あめちゃんは女子高生と間違われたとか行ったりもするから20代前半、多分大学卒したかどうかくらいの歳だと思います。そんな若者達にそういう話した所で「じじい五月蝿えよ」って感想しか出てこないでしょうね、エネルギーあふれる若者でしょうし。というか、ストレスややみ度を0にすると真人間になって配信業からフェードアウトするエンドもあったりもするのですが、それはそれでバッドエンド扱いになるので(彼女にとってはある意味救われてるのかと思いますが)欲望は満たせないなあと皮肉ってるようなのを感じたりします。では100万人の登録者数目指して頑張ろうとすると、それはそれで身と心を削った生活をしなくなりますし、仮に100万人達成したりしても幸せなエンドにはたどり着かなかったりします。人間の欲は青天井というものを考えさせられますね。

抗えない承認欲求を満たすために時にODを、時には壊れて発狂した姿を世界に配信してもやめることができないあめちゃん。みえないドラッグを切望する依存者のような姿。胸が痛むとともにどこかわかってしまう自分もいて切ない気持ちにされてしまいます。ドット絵で書かれる彼女ですが、下手なヒーロー・ヒロインしている作品のそれよりよっぽどリアルな、等身大の姿を感じました。インディーゲームなのでめちゃくちゃボリュームがあるとかではないのですが、刺さるプレイヤーには心にナイフを突き刺してくるような描写も多い、おすすめのゲームであります。ちょっと変わった、刺激のあるゲームを探してる方には特におすすめかと。値段も1600円ちょいなのでお手頃なので是非プレイしてみてください。

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