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台湾でのおもひで

これは私が台湾旅行中の経験を綴ったものです。



台中は駅が二つある。
新幹線が通っている、少し街から外れたところにある駅(高鐵台中駅)と、街中にある駅(台鉄台中駅)。 
例えるなら、成田空港と羽田空港みたいな感じ。


今回私が予約したホテルは、台鉄台中駅から徒歩20-30分のところにあるホテルで、当初は歩いてホテルまで行こうと思っていた。


ところがどっこい。ああ、やっちまった。


台北にそれまでいた私の台中までの移動手段は、新幹線。そう、高鐵台中駅に到着したのである。

駅に着いてマップを見てホテルまでの経路を確認。
徒歩2時間越。目を疑った。2度見した。完全に勘違いしてた。


今考えるととっても面白いが、リアルタイムの私はとても焦った。

ああ、やばい。友達に会えないかも。ホテルまで行けないかも。ってすごく焦った。


でもスマホがある。そう思った。
そしてすぐさまスマホの画面を見る。


初めて使うGoogleマップで、公共交通機関を利用した経路を調べた。すると、10分後にホテルの近くに停車するバスが出発するとのこと。

おお、ついてる私。ラッキー。

と思ってバス停に走った。
ーーー正確には、バス停と上下左右反対方向に最初走った。※方向音痴ではない。

しかしバス停を、バスすら見つけられず。焦る。

一旦、Googleマップに指定されているバス停じゃないバス停の方に行ってみるかと、地下へ降りる。
そして、さっき左に行ったところを右に行ってみる。


バスがたくさん止まっていた。

『うお、助かった』

と時計を見て15:36。バスの出発は15:39。あと3分。

しかしバスの番号は159 で、見当たらない。

バス停付近をオロオロしていると、現地の人が『大丈夫?』と声をかけてくれた。(中国語で何言っているか分からなかったけど多分そんな感じのニュアンスだったと思う)

必死さが顔に出てただろうか。
少し顔を歪ませて、スマホの画面を見せた。
スマホの画面を見た見た彼は、即座に私がいるバス停と反対方向にのバス停を指差した。
あと2分。
『Thank you so much 』と言い、バス停まで駆けた。

なぜか、ちょっと心がウキウキした。




『あ!見つけた。』159と書かれたバス。

急いで乗り込んで、でも少し自信がなくて、運転手さんにGoogleマップを見せながら「このバスはここに行くか?」と聞いた。

私の拙すぎる英語のせいか、Googleマップの駅名の表示が全て英語と日本語表記だったせいか。
あまり伝わったように感じなかった。

『えこれやばいな』と15:38。間違ってたら詰む。

すると乗客の1人が、
「マップ全体を見せて」と声をかけてくれた。

急いで見せた。
すると、「大丈夫ここに行くよ」と教えてくれた。

『『『はあ、助かった』』』

運転手さんと乗客の彼女にありがとうとお礼を言い、遊遊カード(日本でいうSuicaみたいな交通系IC)をタッチ。


バスが出発した。



''今までの緊迫''と''ドキドキ''と''ワクワク''が3:2:1くらいの割合で混ざっている気持ちを落ち着かせながら、(結構運転の荒い)バスに揺られた。

ああなんか、東南アジアの雰囲気だ。窓の外の景色を見ながらこれから向かう台中市内はどんな雰囲気だろうと想像する。

すると、先ほどの乗客の女性が
『ここのバス停で降りると目的地に1番近いよ』
とまた声をかけてくれた。

びっくり。

とっても嬉しい。ええ、本当に?!調べてくれたの?!


ありがとうを3回くらい言ったと思う。
まじか。びっくり。

その乗客の彼女は、次のバス停で降りて行った。
降りていく彼女に『Thank you』と言ったが、エンジン音にかき消されて背中にすら届かなかったと思う。
少しこれは後悔。


さて、30分ほど経って、そろそろ教えて貰ったバス停に着きそうになったとき。
運転手さんに話しかけられた。
中国語で何を言っているのか分からなかったが(本当に申し訳ない泣)
おそらく『この次のバス停であなたは降りるよ』と言ってくれたと思う。

ま、まじで。神。気にかけてくれていたのか。またまた感動した。

そして、降りる予定の1つ前のバス停に来た時、遊遊カードをもう一回タッチすることをジェスチャーで教えてくれた。これもとてもありがたい。

私が ''ピッ''   とタッチしたら、👍とやってくれた。

ほっこり。本当に嬉しかった。本当にありがたい。

特別、笑顔で接してくれたわけでも、言葉の意味が通じたわけでもない。しかし、なんだろう、優しさは伝わった。頭の先からつま先まで伝わった。


降りる時に『謝謝』と言った。
運転手さんはぺこっと、お辞儀をしてくれた。
今回は言葉が通じたみたいだった。これも、嬉しい。

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