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滋賀からめざせJリーグ!おじさんサポーター、レイラック滋賀とゆく~2024②



 雨の多い季節になりました。湿気に弱いオジさんの心も、もやもやと湿気気味です。JFLは、全日程の3分の1(10試合)を終えました。レイラック滋賀は5勝4敗1分けの6位。首位とは勝ち点8差です。まだ優勝、昇格は十分狙えるし、試合内容自体も悪くはないんやけど、どうにも波に乗り切れへん。勝ったと思ったら次は負け。連勝はまだ1度。チャンスを決めきれへんうちに失点してしまう。そんな試合が目立ちます。天皇杯滋賀県代表の座も逃してしまったしな。
 6月2日に忍者の里・甲賀市陸上競技場で行われたクリアソン新宿(東京)戦は、まさにそんなゲームでした。前半、レイラックは数多くのチャンスを迎えるも、シュートは枠を逸れたり、相手GKにセーブされたり。ゴールを割れないまま後半に入ると、セットプレーから失点、反撃及ばすそのままタイムアップとなってしまいました。シーズンはや4敗目。試合中「まだまだやー諦めるなー」と叫んでいたオジさんですが、「この繰り返しでどんどん上位に離されてしまわんやろか」と、早くも気が焦っています。試合後の記者会見では、菊池利三監督も「想定していたよりも勝ち点は少ない」といいます。さあどないしよ。

監督はあの名ストライカー

 対戦相手、クリアソン新宿の監督は、かつて高校選手権で得点王に輝き、柏レイソルで名ストライカーとして名を馳せた北嶋秀朗さんです。何か上昇のヒントはないやろか。滋賀県で試合をするのは初めて、という北嶋監督に、試合の振り返りやレイラックの印象について、滋賀を担当する後輩記者が聞いてくれました。(サムネイルは菊池監督です)

 うーむ、なるほど。北嶋監督の話からは、レイラックのサッカーを研究してきた様子がうかがえます。昨年3位という好成績を上げたことで、マークされる立場になったんやな。相手に研究されている上で勝っていかないと、順位は上がっていかんのやな。会見後、北嶋監督は、オジさんの冴えない表情を読み取ってくれたのかどうかは分かりませんが「滋賀、頑張ってください。一緒に昇格しましょう」と声をかけてくれました。

クリアソン新宿の北嶋秀朗監督。オジさん世代にとっては大スターです!

 負けはしましたが、この日の観客は、小規模な甲賀市陸上競技場では異例の1000人超の入りとなりました。実はレイラック滋賀、今季観客動員では平均2000人超と、現在JFLトップを走っています。滋賀県内のサッカーで、これだけ継続して観客を集めているシーズンは初めてです。北嶋監督も「滋賀のサッカーの盛り上がり、レイラックが積み上げてきているものを感じました」と話してくれました。 

 これだけ応援してくれる人が増えてきているんや。湿気に負けて落ち込んでる場合ちゃう。ということで、Jリーグを目指し湖国の地で奮闘しているレイラックの選手たちを少しずつ紹介していきたいと思います。

湖国で戦う選手たち


 まずは背番号15・MF久保田和音選手(27)です。久保田選手は大阪桐蔭高を卒業後、あの名門鹿島アントラーズに入団、J2ファジアーノ岡山などを経て今季加入しました。登録はMFですが、右のFWに近い位置でプレー、すでに1得点を挙げています。自身の持ち味を尋ねると「(相手DFの)間で受けてチームの流れをつくるプレー、クロスに対してゴール前に入っていくプレー」との答えでした。

インタビューに答える久保田選手。精悍な表情が頼もしい!

 身長は決して高くない久保田選手ですが、この試合でも確かな技術に加え、いつの間にかゴール前に入ってきてヘディングで相手を脅かすプレーが光っていました。甲賀での試合だからというわけではありませんが、忍者か、というプレーでやったね。敗戦後のインタビューとあって厳しい表情を見せていましたが、レイラックの印象について「Jリーグを目指すチームで、(選手間の競争など)緊張感があって嬉しい。チームを勝たせることができるプレーをしたいです」と頼もしく語ってくれました。オジさんもめちゃめちゃ期待しています!
 
 次は背番号2・DF平井駿助選手(21)です。和歌山県出身の平井選手は、大阪府の強豪校として知られる興国高校からJ1の名門横浜F・マリノスに入団、同じJFLのラインメール青森を経て、昨シーズンからレイラックでプレーしています。両クラブでは出場機会に恵まれませんでしたが、昨シーズンの開幕戦で右のセンターバックとして先発の座を掴むと、当時チーム最年少ながら、全試合出場を果たしました。JFLは、大学やほかのJリーグクラブなどを経由した、一定の年齢に達して加入する選手が比較的多く、20~22歳でチームの主軸になる例はそう多くありません。ミスが許されないポジションのセンターバック、となればなおさらです。


滋賀の好きな場所はありますか、と尋ねると「湖岸道路をドライブするのが好きです。途中、車を停められる場所もあって、本当にいい景色ですね」と話してくれました。


 小学4年生ごろからDFをしていたという平井選手、自身のプレーについて「1対1の守備、ヘディング、前が空いている時の攻撃参加を見てほしいです」といいます。その言葉通り高さとスピードを兼ね備え、186㌢の長身を生かしたヘディングの強さ、スピードある相手FWにも楽についていき、ボールを奪う守備の強さが光ります。さらに平井選手、攻撃でも前が空いているとみるや果敢に上がります。昨季はDFながら5得点を挙げた攻撃力もあります。 
 そして今シーズン、オジさんの目には、相手とボールの間に体を入れて奪うタイミングや位置取りなど、プレーの精度がさらに向上したようにみえます。平井選手に尋ねると「昨シーズンを通じて試合経験を積んだことで、例えばヘディングで弾く場所、守備で相手をはめ込みにいくタイミングなどが自分の中で整理されてきました」と手応えを感じている様子でした。また、攻撃では今季はまだ得点がありませんが、虎視眈々とゴールを狙っている様子がうかがえました。
 波に乗りきれないチーム状況について「先制点をとられると、落ち込むというわけではないけど、逆転まで持って行けてない。もう一段ギアを上げていかないといけない。自分が変える、という気持ちをもってやっていきたい」と、優しそうな目の奥を光らせていました。
 若くしてすでにチームの主軸の一人となっている平井選手。若さと経験に裏打ちされたプレーが、チームを上向かせてくれる、と思っています。

 J昇格に向けて早くも正念場。今こそ選手たちに熱い応援を届けたいと思うオジさんなのでした。
                               江藤 均 

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