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滋賀からめざせJリーグ!おじさんサポーター、レイラック滋賀とゆく~2024①

 Jリーグを目指す滋賀県のサッカークラブ「レイラック滋賀」のファンになって19年目。いつの間にか白髪が増え、体力もすっかり落ちたけど、クラブはJ入りに向けて全力疾走中。そんなクラブに置いて行かれないよう、今年も応援を続けていきます。
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  啓蟄から数日後の3月10日朝、虫やカエルの目覚めと共に、オジさんものっそりと布団から這い出します。前日の夜勤も苦にせず、珍しく早起きです。そう、この日はJFL2024年シーズン、われらがレイラック滋賀の開幕戦。さあ行くで。
 会場は、今季からレイラックのホームゲーム会場に加わった滋賀県彦根市の「平和堂HATOスタジアム」(以下ハトスタ)。滋賀県で開催される2025年国スポ・障スポのメーン会場として昨年完成したばかりのスタジアムや!まあ行ったことないけどな!昨年のあの悔しさを晴らして優勝してJリーグ入りやで!意気揚々と、京都駅から彦根行きの電車に乗り込みます。

いざ、彦根へ

 ハトスタにこそ行ったことはありませんが、実は彦根市、オジさんの初任地やねん。今を去ること20数年前、まだ駆け出しのオジさんは彦根の方々にお世話になり、どうにかこうにかやっていくことができました。当時はひこにゃんも生まれておらず、四番町スクエアもありませんでしたが、お昼はちゃんぽん食べて、休日はビバシティで映画見て、お酒好きの上司に時々袋町に連れて行ってもらって。懐かしい思い出が詰まったまちなのです。

 JR彦根駅に到着。改札前にはレイラック開幕戦の案内がありました。

彦根駅の改札口に案内の幕が!

 駅前にもクラブののぼり旗が林立しています。おお、サッカーのまちやん!驚きながらも、連日のように通った彦根市役所前を通り、歩いて20分ほどのスタジアムへ。真新しい、巨大なハトスタが姿を現します。デカい!かっこいい!屋根がある!Jリーグっぽいやん!

これが新たなホームスタジアム、ハトスタ!


 なだらかなスロープを上って入場すると、なんと国宝・彦根城の天守がきれいに見えるやないですか。取材や観光で何度も行ったけど、本当に美しく風格あるお城です。国宝の城が見えるスタジアムって、日本広しといえどもここだけちゃう?ついでにお城観光できるやん。オジさんは城内にある玄宮園から眺める天守が好きですが、現代的なハトスタからの眺めも違った味わいがあってええわあ。そして反対側に目を向けると白銀に輝く伊吹山がそびえています。壮観な眺望に圧倒されます。

国宝・彦根城の天守。ピッチからもいい眺めです。


 
 圧巻の景色にぼーっとしていたオジさんですが、振り返ると200メートルはあろうかという人の列。続々と入場してきます。入り口前には、近江牛のステーキ串やウクライナ料理などのお店が10店ほど出て、人、人、人で賑わっています。巨大なメーンスタンドが人でどんどん埋まっていきます。こんな光景、MIOびわこ滋賀時代を通じても初めてです。Jリーグっぽいやん!

ゆるキャラ界のレジェンドも

 ハトスタ内外の景色に圧倒されながら、ゴール裏で応援の準備をします。サポーターの方々も集まり始めます。人数も、旗も昨シーズンから一気に増えています。新しく加入した選手のチャント(応援コール)の練習などをしていると、なにやらおもちのような白くて丸いのが近づいてきました。いわずとしれたゆるキャラ界のレジェンド・ひこにゃんわるにゃんこ将軍!そしてひこにゃん、まん丸の姿に何とレイラック滋賀のユニホームをまとってるやないですか。似合っとる!これは貴重な姿ですよ!
 実は彦根市、市役所内にJリーグ誘致推進室を設置、レイラックを熱く応援してくれています。試合前のゴール裏には、彦根市の和田裕行市長も駆けつけ「滋賀!滋賀!レイラック滋賀!」とサポーターとともに気勢を上げました。ユニホームの袖口にもひこにゃんがはいっているんですよ!これは負けられない。ひこにゃんも一緒にJリーグに行くでー!

ゆるキャラ界のレジェンド・ひこにゃんとわるにゃんこ将軍(左)。強力なサポーター誕生です。

 
 対戦相手は、地域リーグの中でも強豪ぞろいといわれる関東リーグから今季昇格してきた栃木シティ(栃木県)。昇格組とはいえ、Jリーグ経験者を抱えるなど前評判の高いチームです。しかしレイラックも昨シーズンの主力選手が軒並み残った上にこちらもJリーグ経験者を多数獲得、昨季の3位から戦力は増しているはずやで!
 試合はレイラックがセットプレーから2点先行するも、後半に1点返される白熱の展開。ピッチのあちこちで繰り広げられる激しいボールの奪い合い、華麗なドリブルに、初めてレイラックの、JFLの試合を見たであろう彦根のお客さんたちも沸き立ちます。サポーターの応援の声が屋根に反響し、力強く響き渡ります。オジさんも声を涸らしながらもの凄い熱気を感じます。
 後半、幾度も決定機を作ったレイラックが追加点で突き放すと、盛り上がりは最高潮に。そのまま3-1で白星発進を飾りました。
 

史上最多

試合終盤に発表された観客数はなんとクラブ史上最多の4152人。サポーターからはどよめきが起こりました。なぜなら今年からJリーグ入り条件に成績のほか「ホーム試合の観客平均2000人」が加わったからです。これが結構高いハードルで。

 試合後、監督やスタッフ、選手の表情は充実していました。菊池利三監督が「スタジアムの雰囲気は最高でした」と振り返ると、追加点を許さないスーパーセーブを見せたGK伊東倖希選手は「4千人を超えるお客さんを見て、こみあげてくるものがありました。ホームだな、と実感しました」と声を弾ませます。ちなみにオジさんが「ピッチから試合中に彦根城は見えましたか」と伺うと「い、いや、試合に集中してましたので」と。そらそうですね。


インタビューを受ける守護神・伊東選手

 20数年前には、彦根にこんなスタジアムができて、4千人超のお客さんで盛り上がるなんて想像も出来ませんでした。菊池監督は「今年はよりゴールへ向かうシュートやチャンスが多い試合、ファンに興味を持ってもらえる試合をしていきたい」と熱を込めていました。この日のような試合を続けて行ければ、さらに多くの彦根市民、滋賀県民にレイラックのファンになってもらえるのではないでしょうか。
 
 ここでJリーグの試合をしたい。このハトスタでJリーグ昇格を決めたい。勝利をかみしめながら足取り軽く、しかし応援に熱中して飛び跳ねすぎて痛めた腰を気にしつつ帰路に着くオジさんを、夕日に染まった彦根城が優しく見守ってくれていたような気がします。

※レイラック滋賀は5月10日現在、4勝3敗1分の5位とまずますのスタート。ここから連勝街道や!
                              江藤 均

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