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[アニメーションコース特別授業 レポート]作り手が語る、アニメ制作の現場。

こんにちは。
広報グループUです。

11月に入って、急に寒くなってびっくりしています。
キャンパスのあちこちで紅葉が始まりました。最近学生が話していて「なるほど!」と思ったのは、精華に生えている木は一本一本違うので、色の違いを見るのが楽しいのだそう。良い視点だなあと思って、最近は木々に注目しながら歩いています。

言われてみれば、黄色、緑色、赤色と様々な木々たち。

さて、そんな3Q の京都精華大学の夕方、マンガ学部アニメーションコースでは特別授業が開かれていました。

講師としてお越しくださったのは、アニメーション制作会社「旭プロダクションのみなさま。旭プロダクションといえば『機動戦士ガンダム』シリーズや『弱虫ペダル LIMIT BREAK』、『BLEACH 千年血戦篇ー訣別譚ー』『進撃の巨人』などなど、多数の人気タイトルに携わってきた、大手アニメーション会社です。
特に2010年ごろから、いち早くデジタル作画を取り入れ、アニメーション業界に新しい風を吹かせたことで有名です。

そんな最先端の現場から、アニメの仕事における「撮影」「デジタル作画」「3DCG」「制作進行」、それぞれがどんな仕事なのかを、画像や動画を惜しみなく用いて教えていただきました。

例えば、テレビアニメ『アルスの巨獣』は、旭プロダクションが企画から関わったオリジナル作品。

©DMM.com・旭プロダクション/アルスの巨獣製作委員会

あるカットでは、監督が描いたコンテをもとに、CG担当者がイメージを具体化していきます。コンテの描きこみ具合は、原作がある作品とない作品によって違うそう。今回のように原作がないオリジナル作品は、監督のイメージが制作段階によってズレることがないように、さらに細かく描きこんだものも作成され共有されました。

こうしてキャラクターのイメージを固めたら、3Dに起こして色付けしていきます。動きに違和感を感じないよう、細かく細かく調整し、約10万程度のポリゴン(面)を作成するそう。10万・・・!

CGだけでなく、目や髪の毛などのパーツは作画担当者によって手書きで表現されたり、

撮影担当者が、2Dや3Dの素材を合成したり色味の調整をしたりして、臨場感のある映像をつくりあげていきます。

こうして様々な人が関わるので、作業に遅れが出ないように管理するのが、進行管理担当者。それぞれの制作作業を工数としてカウントし、何日で完成できるか、スケジュールを組む仕事です。

視聴者としては一瞬に感じるワンシーンに、どれほどの手間と複数人のスタッフの手が入っているかを実感するお話しでした。すごい・・・!と思わず溜息。

他にも、デジタル作画とアナログ作画をどのように使い分けて描いているかや、背景制作やパースでCGを活用することの可能性など、デジタル表現を追求してきた旭プロダクションならではの具体的なエピソードを多数ご紹介いただきました。

講義のあとは、会社で働くスタッフとオンラインで繋いで質疑応答。
このとき、京都精華大学を卒業し、旭プロダクションで働くスタッフお二人も参加してくれました! 撮影、CGの領域で働くお二人、「分からないことがあっても放置せず先輩に教えてもらい、自分の制作に取り入れている。日々、勉強の連続です」と力強い言葉に、思わずじーんとします。

ほかにも学生からの質問に対して、「タイムシートで大切なことは指示書として丁寧に書くこと。いまは海外のスタッフとも共有することも多いので、字を丁寧に書くことはとっても大切」「1日あたり15~20カット程度撮影する」などリアルな回答をたくさんいただき、貴重な現場の声に驚きの連続でした。

©DMM.com・旭プロダクション/アルスの巨獣製作委員会

最後に、「これからのアニメーターに求められる力」について。
デジタル・アナログのどちらかだけにこだわるのではなく、工夫しながら楽しんでつくること、そして、新しい表現を追い求める柔軟性と教えていただきました。

これからのアニメーション業界を担い、たくさんの人を楽しませるアニメーションをつくっていく、京都精華大学アニメーションコースの学生たち。
今回のお話が、きっと将来の目標に繋がり、また、働き出してからも思い出して気持ちを奮い立たせる機会になったのではないかと思います。
がんばれ!

旭プロダクションのみなさま、貴重な機会をありがとうございました!

授業が終わっても、アニメーター志望の学生たちから質問が絶えませんでした


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